Batman Begins(2005 / 米・英)
バットマン・ビギンズ
「バットマン」実写映画シリーズの第5作目。青年ブルース・ウェインがバットマンとなるに至った経緯を中心に描く。
©NIMAX THEATRES
監督 | Christopher Nolan |
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出演 | Christian Bale, Michael Caine, Liam Neesonほか |
ロケ地 | The Garrick Theatre(内観) |
アクセス | 地下鉄Charing Cross駅から徒歩 |
- 今回は、言わずと知れたアメコミ原作のハリウッド大作、いかにも「ザ・アメリカ」といった感じの一本ですが。
- おう。と言ってもだね、シリーズ第5作目となる本作は、監督にクリストファー・ノーラン、主演のバットマン役にクリスチャン・ベール、執事のアルフレッド役にマイケル・ケイン、ジム・ゴードン役にゲイリー・オールドマンと、完全に英国勢が核となっているのだよ。
- 我らが渡辺謙さんも出てますね。
- その通り。一昔前ならJJサニー千葉こと千葉真一がやりそうな役だが。
- ちなみに謙さん扮するラーズ・アル・グールのテンプルがあるのは、ヒマラヤの奥地という設定ですが、実際はアイスランドで撮影されているそうですよ。
- その他のロケ地は、英国内のスポットが数多く使われているようですね。
- そうなのだ。まずオープニングのシーン、アジアの監獄はなんとエセックスのEast TilburyにあるCoalhouse Fortという要塞で撮影されてるんだな。
- 中盤にも、ブルースがアジアで放浪の旅をしていた時のことを回想する中で、警察に捕まるシーンが出てきますが、ここなんかロンドンのスミスフィールドにあるFarmiloe Buildingのアトリウムですからね。
- しかもこの Farmiloe Buildingは、ゴッサム・シティ警察署内の場面にも使われているのだ。まあ、アジアのシーンとは別の場所で撮影されてるけどね。でもまさか同じ建物が使われているとは思わないよな。
- もっと分かりやすいところですと、序盤で少年ブルースが両親と観劇するシーン、こちらロンドンのThe Garrick Theatreですね。また億万長者ウェイン家のマナー・ハウスの外観は、バッキンガムシャーにあるMentmore Towersが使われています。
- ロンドン大学もロケ地としてふんだんに活用されているんですよ。まずUCLのRockefeller Building内にあるThe Thomas Lewis Roomが、ブルースの両親を殺害した犯人の裁判が行われる裁判所として使われています。また、裁判を終えた犯人がロビーで撃たれるシーンはロンドン大学の事務局となっているアールデコ建築の建物、Senate Houseのサウス・エントランスです。
- Senate Houseは、別件の裁判の後にレイチェルがジョナサン・クレインに詰め寄るシーンでも使われています。こちらはThe Crush Hallで撮影されていますね。
- 加えてゴッサム・シティ警察署の外観もUCLのMedawar Buildingです。
- ブルームズベリー界隈が一時、ゴッサム・シティ色に染まったってわけね。
- それ以外にもまだまだありますよ。例えばファルコーニが収容されるアーカム精神病院の外観はロンドン北部郊外Mill Hill に建つNIMR(国立医療リサーチ・センター)ですし、ジョナサン・クレインが幻覚ガスを製造していた地下工場はロンドンのStratfordにあるAbbey Mills Pumping Stationが使われております。
- そうそう、ブルースがギャル2人を連れてパーティーで殿様振る舞いをするシーンがありますが、あれはCanary Whalfにある眺めのいいレストラン「Plateau」ですね。
- あのシーンはアホと言われようが素直に羨ましいわい。一度でいいから「じゃ、このホテル買い取るから、よろしく」なんて言ってみたいもんだよ!
主人公ブルース・ウェインの内面を描いた作品として、それまでの作品とは一線を画した「ビギンズ」。通算5作目といえども、ここから「バットマン」体験を始めても全く問題なし。というか、ここから入ったら、1〜4作目は別物として考えるべし。そうそう、主演のクリスチャン・ベールは本作の前に「マシニスト」で1年間眠っていない男を演じたため、30キロ近く体重を落として骸骨のように痩せていたんだが、数カ月で体重を戻したそうだよ。さすがですなあ。
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