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Tue, 31 March 2020

税年度末前のマネー計画

税年度末(4月5日)が迫ってきました。英国にはさまざまな節税方法や商品があります。ほんの少しの取り組みで給与天引きされた税金を取り戻せたり、今後払う税金を抑えたりできるかもしれません。今月は税年度末に向けたプラニングについてお話します。

英国に来たばかりです。英国の確定申告や締め切り日などについて教えてください。

給与からは所得税が差し引かれていますので給与のみの所得の方は確定申告(Tax Return、Self-Assessment)の必要はありませんが、その他の所得がある方(自営業者、不動産所得、その他投資所得など)は申告の必要があります。英国の税年度は毎年4月6日から翌年の4月5日までで、オンラインの場合は税年度終了後の1月31日まで、書面の場合は10月31日までに申告を行い、1月31日までに納税します。尚、初めて確定申告をする方は10月5日までに税務署(HMRC)に登録しなければなりません。

税年度と締め切り日 ● 2019/20税年度...2019年4月6日〜2020年4月5日
● 書面申請締め切り...2020年10月31日
● オンライン申請締め切り...2021年1月31日
● 納税締め切り...2021年1月31日

所得税に関し日本と異なり留意するべき点は?

身近な点で申しますと、預金金利に対する税制の違いだと思います。日本では預金金利は20%源泉分離課税されますので確定申告に含んだり、それ以上の税金を払うことはありません。英国では銀行で税金は引かれず、本人の所得に合算され下記税率にて総合課税されます。ただし、Savings Allowanceという利子の非課税枠がありまして、基礎税率者(下記税率表参照)は1000ポンドまで、高税率者(同参照)の方は500ポンドまで預金利子が非課税ですので、総合課税は利子がこの金額以上の場合です。追加税率者には利子の非課税枠はありませんので、利子も45%の税率となります。

2019/20税年度 所得税率 (勤労・利子所得)

税率 所得金額 非課税 Savings Allowance
個人控除額(Personal Allowance) 税率0% £12,500* -
基礎税率:20% 〜£37,500 £1,000
高税率:40% £37,501〜150,000 £500
追加税率:45% £150,001〜 £0
*10万ポンドを超える所得がある場合は、超えた所得2ポンドに対し1ポンドの控除額が減少

英国は日本と比べて金利が高いので喜んでいたのですが40%も税金をとられては意味がありません。何か節税方法はありますか。

英国では配偶者間の譲渡は非課税ですので、ご夫婦であれば所得の少ない方の名義で預金することが検討できます。また日本の非課税口座(NISA)は株式などの運用商品のみ対象ですが、英国では銀行預金対象のCash ISA(Individual Savings Account) を利用し利子を非課税で受け取れます。限度額も日本と比べて多く、非課税で年2万ポンドまで積み立てられますのでご夫婦で4万ポンドです。本税年度分のISAは繰り越しができませんので資金に余裕のある方は積極的に活用するようにしましょう。

離脱が決定し、今後の見通しがつきそうなので運用タイプのISAで英国株投信を検討しています。お勧めはありますか。

お勧めというわけではないですが、投信データ会社Trustnetによる過去3年で上位3位の投資信託をお伝えしておきます。過去の運用成績は将来のそれを約束するものではありません。投資信託をご検討の場合は運用成績だけでなく、運用目的・方針、運用会社の規模・定評、運用資産金額、各付け、さらに運用手数料などさまざまな観点から検討することが必要です。また市場が悪くなる場合も想定し、元本割れした場合、どの程度我慢できるのか、その資産がなくてもしばらく価値が戻ってくるまで待っている財力があるのかなど熟考することをお勧めします。

英国株式投資信託―過去3年間運用成績トップ3

投信名 1年間上昇率 3年間上昇率 5年間上昇率
Slater Growth P acc 39.1% 55.8% 81.6%
Premier UK Growth C inc 38.4% 51.0% 74.7%
MI Chelverton UK Equity Growth B acc 37.4% 69.3% 158.1%
Data: Trustnet IA UK all companies 24.1.2020までの上昇率

とにかく税金が高いです。何か節税方法はありませんか。

最も簡単な方法の一つは個人・職場年金に拠出することです。本人の年金拠出金は最高税率での税額控除が可能なので拠出金の分給与受け取り時に源泉された払った税金が戻ってきます。例えば年収6万ポンドの方は5万ポンドを超える所得に対し40%の税金を払っています。1万ポンドの年金拠出をする場合、年金への払い込みは基礎税率20%を引いた8000ポンドのみで、2000ポンドが年金プランに税額控除金として付け加えられます(年金管理会社が税金還付手続きを代行)。この年金拠出を行った旨をタックス・リターンに含めますとさらに20%=2000ポンドが現金で還付されます。税額控除額合計は4000ポンド=最高税率の40%となります。なお、年金拠出金の税額控除はその税年度に払う所得税にのみ適用されますので、こちらも税年度前に検討する価値ありです。

年金の不利な点は何でしょう。

通常の年金は運用タイプなのでそのリスクがあり、運用ファンドの選定が必要となります。また年金受け取り最少年齢の55歳まで資金にアクセスがないのでそれまでに資金が必要になりそうな方にはお勧めしません。さらに、拠出金には限度額があり所得が高いと減額されるかもしれず、限度額を超えた場合は税チャージが発生してしまいます。初めてご検討される方は専門家にご相談なさることをお勧めします。

※次回のマネー教室は4月16日号に掲載致します。本コラムのバックナンバーにつきましては、英国ニュースダイジェストのウェブサイト(www.news-digest.co.uk)をご参照ください。

※当コラムは2020年2月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。

※年金を含む運用に関し、投資元本価値は上下し元本割れする場合もあります。受取る年金額はその時の年金価値、金利、税制などに左右されます。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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