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フットボール会場のゴミ

フットボール2026年ワールドカップ(W杯)が始まりましたね。この原稿を書いているのは、ちょうどイングランドが初戦でクロアチアに勝利して、イングランド中が「Football’s Coming Home」と沸き立っている時です。
欧州選手権(ユーロ)2024のころに、このコラムで英国の人々の、フットボールに対する異常なまでの熱意をご紹介しました(第97回「 フットボール狂想曲」)が、今回も、もしイングランドが決勝トーナメントに残れば、また同じような熱狂ぶりが予想されますね。
同時に、私たち日本人としては、日本が初戦でオランダと引き分けたこともうれしいですよね。もちろん我が家も家族で応援したのですが、テレビで試合を見ていたとき、娘の指摘で日本と英国の大きなギャップを見つけました。それは、日本人サポーターが試合後にスタジアムのゴミを片付けていること。
今やBBCや「インディペンデント」紙などの大手メディアでもたびたび取り上げられているので、英国でも、日本人サポーターが試合の後に掃除をしていく、ということがかなり知られています。とはいえ、娘は今回テレビに映された様子を初めて目にしたようで、とても驚いていました。
「なんでクリーナーでもないのに掃除しているの」「日本では、どんなスポーツの試合でもサポーターが掃除するの」と、英国で生まれ育った娘には、テレビ画面の光景に次々疑問が湧いてきたようでした。娘にとっては、英国のサポーターがこぞってゴミ袋を持って、フットボールの試合後に清掃する姿など、見たこともなければ、想像するのも難しいからでしょう。
私自身、なぜ日本人サポーターがゴミ拾いをしているのか、いつから誰が始めたのか知りませんでした。そこで娘に答えるために調べてみると、AP通信の記事では、日本が初めてW杯に参加した1998年のフランス大会で、日本人サポーターのゴミ清掃の姿が世界の注目を集めたとされています。
理由については、子供のときから学校で掃除をしていたからとか、「立つ鳥跡を濁さず」の文化だとか、他人に迷惑をかけないためなど、識者によって分析されていますが、「メディアがこの話題に飛びつき、日本人ファンを称賛したことで、日本人自身もその価値観や規範を示すことを誇りと感じるようになった」というのは、案外大きな理由という気もします。
ちなみに、英国の人たちは、わざわざ人の分のゴミ拾いはしませんが、政府主導の全国キャンペーン「Keep it, Bin it」のかいもあってか、多くの人は「自分のゴミはゴミ箱に入れるか持ち帰る」という人ばかり。決して英国人がみんなゴミをポイ捨てしていくというわけではありませんので、誤解なきように。



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