Sherlock Holms
シャーロック・ホームズ(2009 / 米・独・英)
世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズを、これまでとは違ったキャラクターで描いた異色のミステリー・アクション大作。
監督 | Guy Ritchie |
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出演 | Robert Downey Jr., Jude Law, Rachel McAdams |
ロケ地 | Reform Club |
アクセス | 地下鉄Piccadilly Circus駅から徒歩 |
- 今週は、まだまだ記憶に新しい21世紀版の「シャーロック・ホームズ」です。あのガイ・リッチー監督が新たなホームズ像を描き出し、大掛かりなアクションをふんだんに取り入れた、ダイナミックなエンターテインメント大作ですね。
- シャーロキアンを自認するガイ・リッチー監督は、制作に当たり原作を再読し、「ホームズは直感的で、武術に長けた戦いの達人である」ことに着眼、その部分を膨らませていった模様だ。誰もが知ってて、世界中に多くのファンを持つキャラクターを新たに作るのも勇気が要っただろうに。
- 米国人のロバート・ダウニーJrがホームズって、最初はちょっと違和感ありましたが、思えばあの人、かつてチャップリンも演じてるんですよね。それで観終わってみると、ポーカーフェイスでコミカルな雰囲気がうまくハマっていたように思いました。従来のホームズが肉体派になってパワーアップした感じでしょうか。ジュード・ロウのワトソンも予想外に良かったです。
- 筋金入りのシャーロキアンには反対派もいて、賛否両論だがな。ちなみに通常は脚本も自分で手掛けているガイ・リッチーだけど、本作では監督業に徹したようだね。しかも彼の作品としては米国で初めてR指定を受けなかったらしいよ。
- 舞台は1891年、ヴィクトリア時代のロンドン。建設中のタワー・ブリッジが時代背景を伝えています。撮影は主にロンドン、マンチェスター、リバプール、またケント州などでも行われていますね。
- 物語は、黒魔術のような儀式で若い女性が次々に殺されるという怪事件の現場に、名探偵ホームズと相棒のワトソン医師らが向かう場面から始まりますが、この闇夜のオープニング・シーンはホルボーン界隈のMiddle Temple Laneで撮られていますね。そして突入する建物内の螺旋階段は、「StPaul's Cathedral」の南西タワーの階段が使われていますが、儀式が行われているホールは、バービカン近くに立つロンドン最古の教会の一つ「St. Bartholomew the Great」で撮影されています。
- 敵に攻撃を食らわす直前に瞬間的にイメトレするホームズが、いかにも武道家っぽいな。どうせなら「お前はもう死んでいる」とか言って欲しかったぞ。
- そのホームズですが、原作通り女嫌いで、ワトソン医師の恋人メアリーのことも面白く思っていません。しかしワトソンはホームズに彼女を紹介すべく、お気に入りのレストラン「Café Royal」での夕食に誘いますが、このダイニング・ルームはPall Mall104番地にある、由緒ある会員制社交クラブ「Reform Club」で撮られています。
- しか〜しそんな女嫌いのホームズが生涯で唯一愛したのが、女傑アイリーン・アドラーだ。彼女が滞在しているホテルをホームズが訪れる場面があるが……。
- 彼女にまんまとクスリを盛られて眠っちゃう場面ですね。あれはバークシャー州の豪華ホテル「Cliveden House」のフレンチ・ダイニング・ルームで撮っています。
- クスリと言えば、ホームズは主に仕事がなくて倦怠気味なときにコカインなどを摂取する薬物依存があるが、それも映画内でさりげなく言及されてるぞ。ワトソンが「君が飲んでるのは目の手術に使うクスリだよ」って言う場面があるが、19世紀末当時は目の手術の際、麻酔薬にコカインが使われていたんだな。
男の友情をコミカルかつスマートに描くのがうまいガイ・リッチー監督だけに、ホームズとワトソンのコンビはまさにうってつけだね。ホームズってそもそもボクシングもプロ級の腕前だから、ベアナックルの試合に出場しちゃったりするのも、実はそんなにかけ離れてないんだよな。スリルを求めて生きる人間であるっていう解釈を前面に出した結果の新しいホームズだね。年末には続編が公開される予定だから、乞うご期待!
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