Shaun Of The Dead
ショーン・オブ・ザ・デッド(2004 / 英)
優柔不断なショーンは恋人のリズに捨てられ意気消沈。そんな中、ロンドンの街に突如ゾンビが溢れ返る。ショーンは居候で幼なじみのエドとと もにリズと母親を助け出そうとするが……。
監督 | Edgar Wright |
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出演 | Simon Pegg, Nick Frost, Kate Ashfield ほか |
ロケ地 | Cunningham House |
アクセス | 地下鉄Highgate駅から徒歩 |
- 夏ですねー。というわけで、今週から数回にわたり怪奇映画を捜査します!
- といっても日本みたいに暑くないから、あんまり雰囲気出ないけどな。何はともあれ「ショーン・オブ・ザ・デッド」! 本作の、というかエドガー・ライトの大ファンである私にはうれしい限りだ。
- 思えば本連載の初回もエドガー・ライト作品でしたね。僕も大好きです。
- エドガー・ライトの同志で彼の作品の常連、サイモン・ペグとニック・フロストの力も大きいですよね。
- 前にも言ったけど、サイモン・ペグはエドガー・ライト作品の多くで共同脚本も務めてるよな。本作もしかり。
- 本作はジョージ・A・ロメロ監督によるホラー映画の名作「ゾンビ(原題Dawn of the Dead)」のパロディーとも言われていますが、この映画に限らず歴代のゾンビ映画や、監督自身が好きなものへのオマージュがあちこちにちりばめられていて、同監督が手掛けたシットコム番組「Spaced」を思わせますね。実際に引用も多いようですが。
- まずオープニングの音楽からして、さりげなく「ゾンビ」だからな。
- 主人公のショーンが予約を入れようとするイタリアン・レストランの名前が、ゾンビ映画の名匠、ルーチョ・フルチにちなんで「フルチ」だったりとか、芸が細かい。ちなみにオープニングのタイトルバックに写っているスーパーマーケットはPark RoyalのWestern Roadにある「ASDA」、朝帰りクラバー・ゾンビの行進はかつてKing's CrossのYork Wayにあったクラブ「The Cross」の前で行われました。
- ショーンと、彼の幼なじみで居候のエドが住んでいるのはロンドン北部のCrouch Endです。フラットの外観はNelson Road 83番地ですね。ショーンとエドの笑いを誘うやりとりの数々は、かつてサイモン・ペグとニック・フロストがフラットシェアしていた頃の様子を再現しているんだとか。
- 2人の関係がまたサイコーだし。エドのだらしなさ、厚かましさに周囲の全員がへきえきしてるんだけど、ショーンにとって彼はどうやっても憎めない相棒なんだな。
- しかしその調子でついエドのペースに飲み込まれてしまうショーンは、職場でも年若のバイト君にバカにされるほどの優柔不断な性格ゆえに、彼女のリズにも呆れられ続け、ついには捨てられてしまいます。
- ショーンが働く家電量販店はNorth FinchleyのHigh Roadにある「Garlands Electronics」で撮影されています。このシーンのエキストラとして、サイモン・ペグのお母さんもチラッと登場していますね。またリズが住んでいるフラットの外観はHighgate界隈、Hillcrestにある「Cunningham House」で撮られています。内観にはHighgate West Hillにある「Brookfield Mansions」が使われました。
- ショーンは単にめちゃくちゃ優しくて気のいい奴なんだけどな。それは彼のお母さんを見れば分かるってもんよ。
- お母さんが住んでいる家はEast FinchleyのAbbots Gardens 37番地です。
- ゾンビが溢れ返る中、いつもは決断力に欠けるショーンが一念発起してリズとお母さんを救い出しに行くくだりは、かなりテンション上がるよな。
- 普段はショボイけど、ここぞというときに男気を見せるショーン、カッコいいですよね! 何度観ても元気出ます、この映画。
こんなに笑えて、ときに涙を誘うホラー・コメディーがほかにあるだろうか? ゾンビが苦手という理由で本作を観ていない人がいたら、「君は絶対に損している!」と声を大にして言いたい。ところでエンディング近く、テレビにちらっとコールドプレイが映るけど、フロントマンのクリス・マーティンはゾンビ役でも出てるんだよ。パブから脱出したショーンとリズの後ろ、電話ボックスの前をウロウロしてるよ(笑)。
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