71種類の言語は、そんな各国から訪れる生徒たちの母国語がほとんど。アラビア語、クルド語、カザフスタン語、スワヒリ語、ポーランド語、ビルマ語、トルコ語など数え上げればきりがない。アフガニスタンで話されているファルシ語、南アフリカのズール語など、初めて耳にする言語の名前も多いのではないだろうか。このコスモポリタン学校をまとめるバリン校長は「子供達は深いトラウマを抱えて英国にやって来ます。ソマリアから来た女の子の腕には、銃痕さえありました」と説明する。「彼らは意欲に燃えています。英語が話せないからといって、生徒の学習能力がないと決めつけるのは馬鹿げています」と校長。生徒達の最初の授業はもちろん英語、そして段階的に他の科目も学んでいく。彼らは語学力のハンデを少しずつ克服し、英国の大学入学資格試験となるAレベル試験でも学校全体の成績を向上させている。
ちなみに、今まで「最もコスモポリタンな学校」の名を頂戴していたのはロンドンのトッテナムにある学校で、50カ国から集まった生徒によって58言語が話されていたという。その記録を塗り替える大きな要因となったのが世界各地の内戦や戦争、貧困というのはやや皮肉な話。生徒たちの生まれ故郷が一刻も早く安全な環境を取り戻し、彼らが安心して里帰りができるように、そして現地でも十分な教育を受けられるようになってほしいものだ。
「タイムズ」紙 Go-ahead school speaks in 71 tongues
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