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Thu, 28 March 2024

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英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第22回 光の三原色を操る
~色調整に挑戦する(2)

前回に引き続き、撮影したカラー写真をコンピューター上で好みの色に置き換える方法について、ご説明したいと思います。

写真はカメラに光を取り入れて像を作り出しますが、その色は「光の三原色」と呼ばれるR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の光から成り立っています。別の言い方をすれば、この基本となる3色の組み合わせから、すべての色が作られるのです。

コンピューター上でカラー写真の色を調整する際も、このRGBの色調整チャンネルを用いて調節していきます。

前回は、カメラ付属ソフト内のメニュー上にある「彩度」チャンネルを0(ゼロ)にし、カラー写真を白黒(モノクロ)に置き換えた上で、RGBチャンネルで赤味と黄味を強め、セピア色に調整しました。

ここで重要になってくるのが、「補色」です。補色とは、色相環(色相を順序立てて円環状に並べたもの)で正反対に位置する、いわゆる反対色のこと。赤とシアン(明るい青色)、緑とマゼンタ(明るい赤紫色)、青と黄という組み合わせが、互いに補色の関係にあります。そしてこれらの一対になった色同士は、その名の通り互いに補い合う関係にあり、一方を強めることは他方を弱めることになるのです。例えば、赤を強めたい場合はその補色であるシアンを弱め、黄味を強めたいときには青を弱める、といった形で色の調節ができるということです。

今回例に用いた3枚の写真も、すべて一度白黒に変換した後、好みの色に調整しています。コンピューター上で色を操り、自分の思うイメージに近付けられるのは、デジタル写真の大きな強みです。色を変換すると、通常通りに仕上げたカラー写真とはまた違った印象になり、表現の幅も広がるのではないでしょうか


(写真1)テート・モダンにて。画面を大きく占める
建物の壁とエスカレーターの無機質感を
強調するため、寒色系の色にした


(写真2) ピカデリー・サーカスのエロス像前にて。
寒色系に置き換えコントラストを強調したたことで、
雨の中、無邪気に羽を広げて立っているエロス像と、
傘を広げた観光客を対比させ、雨の冷たさも表現した


(写真3) ピカデリー・サーカスの地下鉄入り口にて。
建物がクラシックなので色をセピア風に変換し、
時代背景の分からない雰囲気を作ってみた


 
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前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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