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Sun, 22 December 2024

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英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第24回 窓辺の風景を美しく切り取る
~ストロボ機能を操作する(2)

窓際から見た景色がとてもきれいだったから、窓辺に立って写真を撮影してみたら、窓の外の景色は鮮明に写っているのに、肝心の人物は影になって真っ暗に……。という経験はないでしょうか(写真1)。これは、窓の外がとても明るかったために、カメラが「ストロボを焚かなくても光は十分に足りている」と間違った認識をしてしまい、起こった現象です。

人間の目はとてもよくできていて、室内のものと窓から見える景色を同時に認識することができます。しかし、特に晴れた日の室外と室内の明るさは、実は大きく違い、なんらかの操作をせずに同時に両方を美しく撮影するのは、非常に困難です。しかし、ストロボを用い、暗い室内の足りない光を補うことによって、室内にいる人物も、窓から見える景色も、同時に写り込ませることができます。

今回例に挙げたような、よく晴れた日の窓際での人物撮影や、建物の影や木陰などに被写体が配置されているときといった、光と影のコントラストが強く、被写体に比べて背景や周辺が明る過ぎる状況である場合には、ストロボを使用してみましょう。たとえカメラが「ストロボ使用の必要なし」と認識しても、「強制発光モード」にして撮影してみてください。被写体と背景の明るさの差が大きく緩和されるのが分かると思います(写真2)。

写真3は、ストロボを使わずに、シャッター・スピードを遅くして光を取り入れた写真です。人物の明るさは適正ですが、外の景色は明るくなり過ぎてしまっています。このように人物が写ることが重要なのか、それとも窓の外の景色も必要な要素なのかによって撮影方法は変わってきます。方法を覚えておくと、撮影の幅が広がってくるでしょう。


(写真1)
f値5.6/シャッター・スピード1/60秒、ストロボなし
窓から見える木の緑はきれいに写っているが、人物は暗くなり、
表情が分からない


(写真2)
f値5.6/シャッター・スピード1/60秒、ストロボあり「強制発光モード」
ストロボを発光させることで、人物も、窓から見える景色も
適正な明るさで撮影することができる


(写真3)
f値5.6/シャッター・スピード1/8秒、ストロボなし
人物は適正な明るさだが、バックに写る木の緑は
明るくなり過ぎて白色に近い


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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