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Thu, 21 November 2024

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第27回 止まる自転車
〜シャッター・スピードを調整する

走っている人や車など、動きのあるものを撮影したものの、出来上がった写真を見ると肝心の被写体が完全にブレてしまっていた、という経験はないでしょうか。大抵の場合、被写体の動く速さに対して、シャッター・スピードの速度が適正でない(遅い)のが原因です。お手持ちのカメラに、「スポーツ・モード」というプログラムが付いている場合は、このモードを使うといいでしょう。付いていないときは、シャッター・スピードを可能なだけ速めてください。ただ、感度(ISO)が低く設定されているときにシャッター・スピードを速くすると、必要な光の量が取り込みづらくなります。速く動く被写体を撮影されるときは、感度を400や800のように高めに設定すると良いでしょう。

写真1は、シャッター・スピード1/60秒で撮影したものです。自転車に乗った人物は完全にブレてしまっています。そこで写真2では、シャッター・スピードを1/400秒まで速めました。そうすることにより、動く被写体の瞬間を捉え、止まっているかのように写せています。

写真3では、より躍動感を出すために、周りの景色が流れるように撮影してみました。 方法は、写真1のようにシャッター・スピードを若干遅くし、走っているものを追いかけるようにカメラをスライドさせながら、シャッターを押すのです。これは「流し撮り」と呼ばれる撮影方法で、出来上がりの写真にはスピード感が生まれます。被写体の速度によってシャッター・スピードを変えなければならないので、撮影回数を重ねてシャッターを押すタイミングを練習してみましょう。


(写真1) ISO400/シャッター・スピード1/60秒
自転車の速度がシャッター・スピードより速いため、
被写体がブレてしまう


(写真2) ISO400/シャッター・スピード1/400秒
シャッター・スピードを速めることで被写体の瞬間を捉え、
止まっているかのように写すことが出来る



(写真3) ISO400/シャッター・スピード1/60秒
自転車に乗っている人物は止まり、背景は流れているように写る。
「流し撮り」の効果で、動く被写体のスピード感が表現出来る


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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