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手をつなぐカップル
「チャーミーグリーンを使うと、手をつなぎたくなる~♪」
こんな曲をテレビで聞いたことがありますか?
これは台所用洗剤のコマーシャル。印象的だったのが、年配の夫婦が仲良く手をつないでいるというシーンでした。
ずいぶん前に日本で友人の結婚式に出席したときに、「チャーミーグリーンの宣伝に出てくるような、いくつになっても仲良く手をつないでいる夫婦になりたい」と新婦が言っていました。当時独身で全く結婚の予定などなかった私は、それを聞いて「いくつになっても夫婦で手をつなぐっていうのは、憧れの姿なんだな~」と、ぼーっと思ったのを覚えています。
英国に暮らすようになって気付いたのは、年齢に関係なく、カップルが手をつないで歩いているということ。街中でも、お店でも、公園でも海辺でも、どこでも。英国は手をつないでいる人たちであふれています。
「どんな年代でも、仲良く手をつないでいていいね」と言う私に、友人のアリソンは、どうしてそれがそんなに珍しいのかとでもいうように逆に質問してきました。「日本ではカップルは手をつながないの?」
そう問われて、改めて思い出そうとしたけれど、自分と同世代かそれ以上のカップルが手をつないでいるのは、あまり見たことがなかったような気がします。
でもここでは、義父母を見ていても、知り合いのシニア世代ご夫婦を見ていても、カップルが並んで歩く時には自然にお互い手がすっと出て、それをつなぐのが当たり前、という感じです。
特にいいなと思うのは、家族が一緒にいるときに、カップル(夫婦)が手をつないでいること。子どもが幼ければ、もちろん親は子どもと手をつないでいます。でも、手を握っていなくても大丈夫な年齢になると、親は子どもではなくパートナーの手をつないで歩いています。
離婚などでシングル・ペアレントの家庭も多い英国なので、目にしたファミリーが必ずしも全て実の親子の組み合わせとは限りません(つまり、片方の親は生みの親でその隣にいるのは現在のパートナー、ということも大いにある)。それでも、カップルが自然に手をつなぎ、子どももそれを受け入れているというのが良いではありませんか。
一説によれば、手をつなぐことで「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが生成されるのだとか。そして、痛みや不安を和らげたり、ストレスを減らす効果もあるいう研究結果も発表されています。なんだか良いことだらけなので、いくつになってもパートナーとは英国流に手をつないでいたいですね。