MCM
Sun, 22 May 2022

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして18年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。日本での雑誌編集を経て2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
過去のコラム:英国の口福を探して

34
膨大なギフト・ラッピング

膨大なギフト・ラッピング

この国でクリスマスを体験して、驚いたことはいろいろあります。なかでもクリスマス・プレゼントについては、日本とは違うな~、と思うことがいくつかありました。その一つが「プレゼントは自分で包む」ということです。

日本では、デパートや小売店で贈り物を買うと「プレゼントですか?」「ギフト用のラッピングは必要ですか?」と聞かれますよね。そして「お願いします」というと、あっという間に見事な手さばきで、美しいラッピングをしてもらえます。それもたいていの場合は無料で! ところが英国では、普通のレジでそういったサービスをしてくれることはほとんどありません。ハロッズのような高級デパートではギフト・ラッピングのサービスがありますが、料金を支払う必要があるのと時間がかかります。

というわけで、多くの人は自分でラッピングをするのです。そのため、この時期はデパートやスーパーなどに、たくさんの種類のラッピング・ペーパーやリボンが売られています。

以前、クリスマスの2日前に長距離電車に乗ったとき、同じ車両内で数人の人が狭い座席で、必死にクリスマス・プレゼントの包装をしているのを見たことがありました。その人たちは私の知り合いではありませんが、クリスマス当日に、セロハンテープがベタベタに貼ってあったり、かどの部分が破れて突き出してしまっているラッピングのクリスマス・ギフトを受け取ると、そのときの光景がよみがえります。そして「きっと一生懸命包んでくれたんだろうな」と送り主が格闘する姿を想像し、愛おしくなります。


ところで、英国ではクリスマス・プレゼントは一人に一つではなく、いくつもあるので、家族全員分となると大変な数になります。そして、受け取ったプレゼントはその場で開けるので、プレゼント交換が終わると、膨大な量のラッピング・ペーパーが床の上に散らばることになるのです。あるデータによれば、英国では毎年1億800万ロール分の包装紙が捨てられているといいます。その多くはクリスマス・ホリデー・シーズンに消費されるペーパーで、地球環境保護の視点から、近年その廃棄について大きな問題となっています。というのも、クリスマス・ギフトの包装紙にはグリッターやホイルといったラメや光沢のある素材が使われていることが多く、それらはリサイクルが不可能なのです。そのため最近では新聞やブラウン・ペーパーなどリサイクル可能な紙や、風呂敷のような布を使ったラッピングが推奨されています。カラフルな色やイラストのプレゼント包装は英国のクリスマスに欠かせないものとはいえ、そろそろその伝統も転換期にきているのかもしれません。

 
  • Facebook

JFC ゆめにしき
バナー バナー バナー londoniryo_dental

英国ニュースダイジェストを応援する

定期購読 寄付
ロンドン・レストランガイド
ブログ