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英国式プロポーズとは?
先日は私たち夫婦の結婚記念日でした。私たちは英国と日本の両方で結婚式を挙げたので、12月と1月の2回、結婚記念日を祝います。その日にはたいてい、結婚式のときに参加者の皆さんが書いてくれたメッセージ・ノートを見て、そして結婚式の写真を見ながら、そのときのうれしかった気持ちを思い出して「ハッピー· アニバーサリー。いつもありがとう」と夫婦で言い合います。
今回もいつも通りそうやってアルバムを見ていたら、友人ルイーズに目が留まり、ルイーズのヘン・パーティーのことを思い出しました。ヘン・パーティーとは結婚直前の女性が、友人たちと連れ立って独身最後の大騒ぎ(!)をするパーティー。ルイーズのときは1泊2日でコッツウォルズのコテージを借りて、さまざまなアトラクションをしたのですが、そのなかのゲームで皆がルイーズに質問をする時間がありました。1番盛り上がったのがプロポーズについての話。
「その日はわざわざプロポーズの名所といわれる○○○○○に行こう、ってジョンが誘ったから、もしかして? って思ったんだ~」と言うルイーズに、すかさず質問をしたのは親友のマリア。
「で、片膝ついたの?」
「そうなの。内心、やめてー、と思ってたんだけど」と答えたルイーズは、そう言いつつもなんとなくうれしそうにも見えました。
プロポーズのときに片膝をつく、というのは、最近でこそ日本の映画やドラマでも見られたりするので、日本人にとっても全く見たことがないものというわけではありませんよね。でも、実際にそうやってプロポーズをされたという経験がある人は、まだ多くないと思います。
でも、英国では少なくない数の人たちが、プロポーズには片膝をついていると思われます(残念ながら、これについての数値的データを見つけられなかったのですが、私の周囲の人たちに聞いたところ、90パーセント以上が片膝つきプロポーズをした/された、という結果でした)。もちろん、私の夫も片膝をついてプロポーズしてくれました。
このプロポーズの発祥は英国で、それは中世のころに騎士が主君に忠誠を誓うときに行われていた行為が女性への求愛の印になっていった、と紹介されている記事などもありますが、実際のところ、いつごろから結婚の申し込みのために片膝をつくというジェスチャーが生まれたのかは不明のようです。
現代では、同性同士の婚姻や女性からのプロポーズも珍しくないので、必ずしも男性だけが片膝をつくとは限りませんが、英国でのこの伝統はしばらく続くような気もします。