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英国の紅茶はなぜおいしい?
1648号で紅茶にビスケットを浸して食べるダンキングについてご紹介しました。それを読んでくれた日本に住む友人とLINE電話で話していたとき、英国の紅茶について、日本とのギャップの話題がいくつか出てきました。
その友人は、かつて英国に大学院留学をし、日本に帰国するまでは英国で少しの間仕事をしていました。英国が大好きな友人が今でも1番懐かしんでいるのが紅茶だといいます。もちろん、日本でも紅茶は毎日飲んでいるそうですが、「やっぱり英国で飲む紅茶のおいしさにはかなわない」とのこと。
「日本ではカフェとかで紅茶を頼むと、英国のように牛乳ではなく、コーヒーフレッシュが出てくるの。だからもう外ではミルク・ティーは飲まなくなった。家では牛乳を入れて飲むけど、牛乳も英国のとは違うから、やっぱり英国風ミルク・ティーを日本で飲むのは難しいのかも」と、友人はもう諦めた、というように語っていました。
確かに、日本に一時帰国の際、お気に入りのPG Tipsのティーバッグを持っていっても、英国と同じ味にはならないことは、私も気付いていました。でも、日本に行ったときは、日本でしか楽しめないものを飲食することに専念しているので、カフェなどでわざわざミルク・ティーを注文したことのなかった私。日本のミルク・ティーではコーヒーフレッシュが出てくるというのをすっかり忘れていました。友人の話を聞いて思い起こすと、英国では、例えば長距離を走る電車内でミルク・ティーを注文したとき、小さなサシェかカップに入って出てくるのはやっぱりミルクで、クリームではありません。この国では、シングル・クリーム、ダブル・クリームなど、お菓子や料理にクリームはよく使いますが、日本と違い、これらを紅茶に入れるという発想はなさそうです。
もう一つ友人が指摘したのが、紅茶をマグで飲むということ(ちなみに英国ではマグカップとは言いません)。これもやはり自宅ではマグで飲んでいるそうですが、カフェなどではティーカップで出てくることがほとんどで、英国時代と比べるとどうしても量的に物足りなく感じるのだとか。
念のため、「マグに入れたティーバッグを最後にスプーンを押し付けて絞るのはやってる?」と聞いたところ、「もちろん!」との答え。日本の紅茶教室では絶対に教えてもらえなさそうな、この英国流紅茶の入れ方お作法(!?)。夫はこれをしますが、私はしません。ということでこれに関しては、英国在住の人々の間でも議論の分かれるところではありますが、私も将来英国を離れることがあれば、こういう飲み方を懐かしく思い出すのかな、なんて想像してしまいました。