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クリスマス・ジャンパーとは?
この国に暮らして、日本で英語だと思っていた言葉が英国では通じなかったり、別の言葉だったりすることを知った、という経験はありませんか。私は何度もあります。その一つがこの時期に欠かせない「セーター」。夫と付き合いだしてまもないころ、「そのセーター、ラブリーね」と、当時のボーイフレンドだった夫に言ったのですが、通じませんでした。発音が悪いのかと、「スゥエィター」とでまかせに発音を変えてみてもやはり通じません。がっかりしたところに、夫が「ああ、ジャンパーのことね!」と気付いてくれて、英国ではセーターのことはジャンパーというのを、このとき初めて知りました。
さて、英国では、そのジャンパーがとりわけ注目を浴びるのがこの季節。なぜなら、いたるところにクリスマス・ジャンパーを着た人があふれるからです。
クリスマス・ジャンパーというのは、クリスマス・ツリーやサンタクロース、雪だるまなどの絵柄が編み込まれた、赤や緑など派手な色使いをしたセーターのこと。最近では色、柄、デザインもかなりバリエーションが豊富になっていますが、おしゃれなイメージからはかけ離れた、どちらかといえばダサい雰囲気のものが王道とされています。
昔はおばあちゃんやお母さんが手編みのセーターをクリスマス・プレゼントとして贈ってくれたもの。一説によれば、そんな今ひとつ垢抜けないセーターを1980年代にテレビの司会者たちがクリスマス時期にジョークとして着るようになったあたりから人々の目に止まり、2001年に公開された映画「ブリジットジョーンズの日記」でマーク・ダーシー役のコリン・ファースが着ていたことで、人気が決定的になったともいわれます。その後、12年にはセーブ・ザ・チルドレンというチャリティー団体がクリスマス・ジャンパーを着て、支援を必要とする子どもたちのために募金をする、というイベント「クリスマス・ジャンパー・デー」を企画。近頃では、職場や学校などでも、この日にクリスマス・ジャンパーを着るというのが定番となっています。
今年のクリスマス・ジャンパー・デーは12月12日ということで、このコラムが掲載されたときには、すでに終わってしまっています。でも、クリスマス・シーズンはまだ続いていますので、あなたもぜひ、今年はちょっとアグリー(?)で、見た人が笑顔にならずにはいられないクリスマス・ジャンパーを着てみてはいかがでしょうか?実は、わが家でクリスマス・ジャンパーを持っているのは娘だけ。夫と息子と私はセーターの代わりにTシャツを着ますが、絵柄はそのスピリットに通じているので、お互い着ている姿を見るたびに笑顔になれるのがうれしいです。