今回は、英国で永住権・市民権取得後に家族を呼び寄せる場合に、その家族が申請することができる滞在許可について紹介したいと思います。ただし、成人した被扶養家族を呼び寄せる場合に関しては、申請の許可が下りる可能性が事実上極めて稀であることをあらかじめご了承ください。
この滞在許可を申請するためには、申請者が欧州経済領域(EEA)加盟国及びスイス以外の出身であり、呼び寄せる者が英国の市民権、永住権または難民資格を持つことに加えて、以下の要項を証明する必要があります。
・申請者が18歳以上である(児童としての申請を除く)
・家族関係が英国において正当であると見なされるものである(婚姻関係が出身国で合法的と認められているなど)
・申請後に英国で家族や配偶者とともに暮らす意志がある
・申請者もしくは申請者の家族が英国滞在中に自身や扶養家族を世話できる。または経済的な要件を満たしている
・申請者とその家族が英国で暮らしていくに十分な場所を確保できる
・十分な英語の知識を持っている(18歳以上の場合。成人の被扶養親族として申請する場合を除く)
上記の点に加えて、呼び寄せを行う側となる英国在住者と滞在許可の申請者の関係によって、必要とされる証明内容が以下のように異なります。
● 呼び寄せる対象が配偶者である場合
・結婚または市民パートナーシップ関係にある ・申請者が18歳未満である ・子供が18歳未満である ・長期にわたり日々の世話を必要とする * 前述したように、本カテゴリーにおいては申請の許可が下りる可能性が事実上極めて稀であることをあらかじめご了承ください。 いずれの事例においても、本滞在許可に関する申請内容は極めて複雑です。手続きは専門家と二人三脚で、そして早い段階で準備を始められることをお勧めします。
・2年間の同居経験がある
・結婚または市民パートナーシップ関係に向けての婚約関係にある
・経済的要件を満たしている
・以前に別の者と結んでいた関係がある場合はその関係が既に破綻している
・婚約関係にある場合は、渡英後6カ月以内に結婚または市民パートナーシップ締結を行う(婚約期間中は労働に携わることができない)
・子供を同伴させる場合は、その子供が18歳未満である
● 英国外に住む子供を英国に呼び寄せる場合
・親と同居する予定である
・申請者が未婚である
・公的補助を受けずに暮らしていくことができる。または経済的要件を満たしている
● 申請者が英国に在住する子供の面倒をみるために 英国に赴く場合
・申請者が唯一の扶養家族であるか、または子供が英国人ないしは英国に永住する別の扶養家族と暮らしている
● 成人した被扶養親族として英国に赴く場合
・現在の在住国には世話をする親戚などが全くおらず、また必要とする世話を受けることができない
・英国で申請者の世話を行う者が、少なくとも5年間は公的補助を受けずに申請者を支援できる
・申請者が18歳以上である