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Sat, 20 April 2024

今年はリヴァプールで開催Eurovision Song Contestのトリビア

ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(以下ユーロヴィジョン)は、主に欧州地域の国が出場できる視聴者参加型の音楽コンテスト。各国のパフォーマーが次々登場するライブ中継を観賞する楽しさはもちろんのこと、国際政治関係が色濃く感じられる決勝投票など、最後まで見どころがみっしり詰まっている。まだ観たことがない人は、今年こそぜひ観賞してみてはいかがだろうか。

準決勝に進んだチームの組み合わせの抽選会が、英北部リヴァプールで行われた準決勝に進んだチームの組み合わせの抽選会が、英北部リヴァプールで行われた

Eurovision Song Contest

5月9日(火)、11日(木)、13日(土)
英国時間20:00〜
M&S Bank Arena Liverpool
https://eurovision.tv

視聴方法: 会場チケットは3月にソールド・アウトになったため、生放送での観覧のみ。BBC OneまたはiPlayerで生放送される。iPlayerでの観覧は事前のアカウント開設が必要。

今年の英代表はシンガー・ソングライターのメイ・ムラー(Mae Muller)。2021年にNEIKED、Polo Gとコラボした「Better Days」がTikTokで話題になった。ユーロヴィジョンでは決勝から進出。「I Wrote A Song」を引っ提げて優勝を狙う。

1. ご長寿音楽コンテスト放送としてギネスに登録

ユーロヴィジョンは、1956年の第1回目を皮切りに、新型コロナウイルスが流行した2020年を除き毎年開催されている。第二次世界大戦後、欧州各地で放送網が整ってきたことを受け、「国境を越えたテレビ放送を通じ、欧州諸国間の協力関係を深める」ことを目的に、欧州放送連合(EuropeanBroadcasting Union=EBU)が1950年に誕生。その実現の一つとして、ユーロヴィジョンは国際同時生放送という技術面でのテストという役割を担っていた。初回はオランダ、スイス、ベルギー、ドイツ、フランス、ルクセンブルグ、イタリアが参加し、これまでにオーストラリアを含む52カ国が参加している。

今年のユーロヴィジョンの会場となるリヴァプールのM&S Bank Arena Liverpool今年のユーロヴィジョンの会場となるリヴァプールのM&S Bank Arena Liverpool

2. 歌詞は架空の言語でもOK

パフォーマーの人数や演奏の事前録音など、参加規則は時代に合わせかなり変更されてきたが、重要な歌詞の言語規制もコロコロと変わっている。初期段階では特に制限が設けられでなかったものの、後に2曲中1曲は自国の公用語で歌わなければならなかったり(現在は1曲を披露)、公用語のみが許されたりした時期も。現在は英語、公用語に加え、誰も理解できない架空の言語の歌詞も認められている。これまで最も多くの言語を含んだ曲は、1973年に出場したノルウェー代表ベネディク・シンガーズ(Bendik Singers)の「It's Just A Game」で、12もの言語で歌われた。

3. ABBAが有名になったきっかけ

当日はユーロヴィジョン不参加国でも放映されるため、毎年約1億6000万人もの視聴者がおり、放映後数カ月は街の至る所で選出曲を耳にすることになる。1974年のスウェーデン代表、ABBAや、2014年のオーストリア代表で、髭を生やしたドラァグ・クイーンのコンチータ・ヴルスト(Conchita Wurst)など、後にスターやゲイのアイコンとなり、世界を席巻したパフォーマーを生んできた。一方で、なぜ選ばれたのかと思わせるような、誰も入り込めない世界観のパフォーマーが出てくることもしばしばあり、新生スターの輩出と同時に一発屋も量産しがちだといわれている。

4. 各国代表による投票=国際政治

決勝進出のパフォーマーには視聴者の投票が、優勝者決定には視聴者と各国を代表する審査員の投票によって決まる。また、今年から指定された不参加国の視聴者もオンライン投票が可能になった(指定国は近日発表)。例年目が離せないのは代表者による投票。紛争や戦争といった国際関係の政治的緊張が走る時期のユーロヴィジョンは、音楽的な要素以上に国同士の政治が絡んだ投票になるからだ。北欧・バルト3国同士で入れ合うといった、毎年同じ国に投票している国、変わる国などがあり、日本人にとっても興味深い内容となるだろう。

5. 今年はリヴァプールで開催

優勝国が翌年の主催国になるのが伝統だが、昨年の優勝国ウクライナは現在ロシアとの紛争の真っ最中。よって今年は「United By Music」のスローガンのもと、英北部リヴァプールが代わりを務める。英国は25年ぶり9回目の主催国で、最も多く開催地を提供している国となった。

 

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