鉄道に揺られながら国境を越えて旅するのは、ヨーロッパにおける旅行の醍醐味の一つ。ロンドンからユーロスターに乗ってパリやブリュッセル、そして国際高速列車タリスに乗ってさらにドイツのケルンまでへと出掛ける鉄道の旅。フランス、ドイツの「ニュースダイジェスト」編集部が、ガイドブックには載っていない、地元目線のお勧めスポットを紹介します。
タリスで快適、列車の旅
タリス(Thalys)は、フランス、ベルギー、ドイツ、オランダの15の主要都市を結ぶ高速列車。印象的なワインレッドのボディーが時速300キロのスピードで各都市を駆け抜ける。2009年より、人体工学に基づいた座席の改良、電源の配備、食事サービスの改善、乗務員のユニフォームの刷新など、より快適で美しい列車を目指して完全リニューアルを進めている。
ロンドン | ― | パリ北駅 | 2時間15分〜 | |
ロンドン | ― | ブリュッセル駅 | 1時間51分〜 | |
パリ北駅 | ― | ケルン中央駅 | 3時間14分 | |
パリ北駅 | ― | ブリュッセル駅 | 1時間20分 |
ロンドン | ― | パリ | £290(1等席) £210(2等席) |
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ロンドン | ― | ブリュッセル | £235(1等席) £219(2等席) |
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パリ | ― | ケルン | €165(1等席) €105(2等席) |
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パリ | ― | ブリュッセル | €138(1等席) €88(2等席) |
ロンドン | ― | パリ | £132(1等席) £67(2等席) |
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ロンドン | ― | ブリュッセル | £137(1等席) £67(2等席) |
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パリ | ― | ケルン | €91〜124(1等席) €53〜87(2等席) |
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パリ | ― | ブリュッセル | €76〜104(1等席) €44〜73(2等席) |
パリ | ― | ケルン | €69(1等席) €29〜39(2等席) |
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パリ | ― | ブリュッセル | €59(1等席) €25〜30(2等席) |
料金は目安。各料金における変更キャンセルの条件、時刻表やチケットのオンライン予約の方法を含めた詳細は、公式サイトにてご確認ください。
ユーロスター:www.eurostar.com
タリス:www.thalys.com
文化の融合で形成された、ユニークなベルギーを堪能
ブリュッセルの観光名物、
小便小僧
様々な国の支配を受けたベルギーは、他国の風習を取り込み、自国の文化と掛け合わせて進化を遂げてきた。そのため、伝統を守りつつも新しいものも取り入れる、これがベルギーのスタンス。こうして「品種改良」された文化の種は、シュールレアリスムの天才画家、ルネ・マグリットのような、一風変わった花を咲かせた。今日でもデザイナーがアトリエを構えるダンサール通りを散歩していると、1枚の服で様々な着こなしが楽しめそうなY-dress?など、斬新なデザインのブランドを見付けることができる。
ベルギー人のユニークさはビールにも見られる。スパイス、ハーブ、フルーツなどを使用し、自由な発想で造られるビールの銘柄は実に約800種類。自然酵母で発酵させた酸味の強いランビック・ビールは、ブリュッセルのカフェやバーでよく飲まれる。お勧めは「Mort Subite(突然死)」という銘柄を樽出しで飲めるカフェ・バー、その名もA la Mort Subite。店名とは裏腹に、アールデコ調の美しい店内が、ビールを一層おいしくしてくれる。
Belga Queenは、伝統とモダンを掛け合わせるのが上手なベルギーを象徴したレストラン。18世紀に建てられ、銀行として使われていたという豪華な建物が、モダンなレストランに変身。ベルギーの食材をおしゃれに調理した料理が楽しめる。
(Text : Kei Okishima)
ベルギー観光局 www.belgium-travel.jp
火~日 10:00-17:00(水20:00まで)、月休
入場料:8ユーロ
1, pl Royale 1000 Brussels
M: Gare Centrale ①⑤
TEL: +32 (0)2 508 32 11
www.musee-magritte-museum.be
火~土 12:00-19:00、日月休
102, rue Antoine Dansaert 1000 Brussels
M: Bourse ③④
TEL: +32(0) 02 502 69 81
www.ydress.com
月~土 11:00-翌1:00、日12:00-23:00
7, rue Montagne aux Herbes Potagères 1000 Brussels
M: Gare Centrale、De Brouckère ①⑤
TEL: +32 (0)2 513 13 18
www.alamortsubite.com
月~日 12:00-14:30 / 19:00-24:00
32, rue du Fossé aux Loups 1000 Brussels
M: De Brouckère ①⑤
TEL: 02 217 21 87
www.belgaqueen.be
月~土 9:00-23:00、 日10:00-23:00
27, Grand Place 1000 Brussels
M: Gare Centrale ①⑤
TEL: +32(0) 02 514 28 50
www.neuhaus.be
セーヌ河のほとりで秋風に吹かれる
パリの中心を流れるセーヌ河には、落ち葉や秋風がよく似合う。パリでの秋の日を、より充実させるスポットをご紹介。
(Text : Kei Okishima)
パリ観光局 http://ja.parisinfo.com
アンティーク雑貨が揃うマルシェのよう
Au Petit Bonheur la Chance
1890年から1970年までのノスタルジックな商品が床から天井まで並ぶ。ほうろうのポットやキャニスター、レトロな柄のリボンやボタン、おもちゃ、ステーショナリーなど、今でも十分に使用可能なアンティークが見つかる。蚤の市をギュッと凝縮したようなぜいたくな空間。
13, rue Saint-Paul 75004 Paris
M: Saint-Paul ①
TEL: +33(0)1 42 74 36 38
木~月 11:00-13:00 / 14:30-19:00、火水休
お土産にお薦めなのはカフェオレ・ボウル(13ユーロ~)。たっぷり入ったカフェオレにクロワッサンを浸して食べるのがフランス流!
店員Gillesさん
フランス最大のワイン専門店
LAVINIA
マドレーヌ寺院やオペラ座に近い、ワイン約5000点を販売するフランス最大のワイン専門店。試飲用の機械が設置されており、専用カードを購入すれば自由に試飲が可能。店員は全員ソムリエなので、細かいアドバイスを仰ぐことができる。日本人ソムリエが勤務している日もあるので、確認してから出掛けよう。
3, bd de la Madeleine 75001 Paris
M: Madeleine ⑧⑫⑭
TEL: +33(0)1 42 97 20 20
販売・試飲 月~土 10:00-20:00 (レストラン12:00-15:30)、日休
www.lavinia.fr
店内で購入したワインは2階の本格派フレンチ・レストランに持ち込めるので、小売価格でワインを楽しめますよ!
店員Nicolas さん
セーヌ川沿いの美景+ 美食フレンチ
Marina de Paris
ノートルダム大聖堂やコンシェルジュリー、エッフェル塔など、セーヌ川沿いの観光名所を眺めながら、手の込んだフレンチをいただけるクルーズ・レストラン。サービスが行き届き、どの席に座っても美しい風景が楽しめるのは、中型船ならではの特権。いつもと違う角度で見るパリは格別だ。
Port de Solférino 75007 Paris
M: Solférino ⑫
TEL: +33(0)1 43 43 40 30(要予約)
ディナークルーズ 月~日18:45-20:00 / 21:00-23:15
ランチクルーズ 金土日 12:30-14:30
www.marinadeparis.com(オンライン予約可)
毎朝市場で仕入れる新鮮な食材を使っています。大型船と違い、ひとりひとりの料理にまで目が行き届くので、繊細な味わいを楽しめますよ。
料理長 Alain さん
下町のワイン・バー
Le Baron Rouge
活気いっぱいのダリーグル市場(火~日 午前開催)のすぐそばにある、地元民がふらっと立ち寄るワイン・バー。市場の活気をそのまま持ち込んだような、庶民的で親しみの持てる雰囲気が魅力。華やかなパリ観光の合間に、ほっと一息つけるバーだ。割安なワインの量り売りも人気(空瓶55サンチーム+2.85ユーロ~)。
1, rue Theophile Roussel 75012 Paris
M: Ledru Rollin ⑧
TEL: +33(0)1 43 43 14 32
火~木 10:00-14:00 / 17:00-22:00
金土 10:00-22:00、日 10:00-16:00、月休
ワイン初心者には飲みやすいMuscadet(ミュスカデ、白)やCahors(カオール、赤)がお薦めだね。
店員Quentin さん
平和を願う、おしゃれセレクト・ショップ
Marci
利益をマダガスカルの恵まれない子どもに送るというコンセプトで、昨年春のオープンと同時にパリの話題をさらったセレクト・ショップ。洋服や靴、アクセサリーはもちろんのこと、キッチン用具、家具、植物までが広い店内に抜群のセンスで並べられている。店内のカフェでは有機食材を使ったランチも楽しめる。
111, bd Beaumarchais 75003 Paris
M: Saint Sébastien-Froissart ⑧
TEL: +33(0)1 42 77 00 33
月~土 10:00-19:00、日休
www.merci-merci.com
店の主旨に賛同したブランドが、通常よりも安い価格で商品を提供してくれています。随時変わるディスプレーにも注目して!
店員Marie さん
ライン川を望む文化の中心地
カーニバルとビールとサッカーの街。ゲルマン魂の熱い鼓動が聞こえてくるケルンから、ドイツらしさを存分に楽む旅のススメ。
ケルン観光局 www.koeln.de
旧市街の息吹とケルンの味を
Peters Brauhaus
ケルン中央駅に到着したら、すぐに目に飛び込んでくるのが世界遺産の大聖堂。その南側には中世の面影を残す旧市街が。まずは1544年からビールを醸造し続けているペーター醸造所で1杯いただきましょう。もちろんケルンの地ビール、ケルシュ(Kölsch)で乾杯!
Mühlengasse 1, 50667 Köln
TEL: +49 (0)221 - 2573950
11:00-24:30(ラストオーダー24:00)
www.peters-brauhaus.de
ソーセージ、豚肉、ジャガイモ料理など、定番のドイツ料理はもちろん、ケルンの伝統的な食文化を伝えるこの店は、他では食べられない郷土料理も充実している。
(写真左)ペーター醸造所のオリジナル・ケルシュ・ビール。 (右)ケルンのキャビアと呼ばれている血のソーセージ。
青空の下で飲むビール
Biergarten Aachener Weiher
ドイツには「何もしないぜいたく」を知っている人が多い。ビアガーデンでじっくり、のんびりビールを味わう。つまみは、照り付ける太陽と陽気な笑顔。これ以上の幸せってあるかい?そんなドイツの夏の何気ない日常を味わえる格好のスポットがビアガーデンだ。
Richard-Wagner-Straße, 50674 Köln
TEL: +49 (0)221-5000614
11:00-24:00
www.biergarten-aachenerweiher.de
ポメス(フライドポテト)やカリー・ブルスト(カレー粉がかかったソーセージ)からシュニッツェルまで、お手頃価格で食事も楽しめる。
(写真左)ここでは、「Gaffel」というケルシュが飲める。(右)カリーヴルスト(3.20ユーロ)
ドイツパンのうまみを実感
Bäckerei Balkhausen
パンの種類の豊富さは世界一!と言われるドイツ。腕利きのパン職人がしのぎを削るケルンで、味にうるさい地元っ子の信頼を集めているのがこのお店。噛み締めるほどに実感できる手作りならではの良質なパンのうまみが人気の秘訣。ケーキの美味しさにも定評がある。
Apostelnstraße 27, 50667 Köln
TEL: +49 (0)221-2570264
6:30-19:00、木20:00、土18:00 日休
レーズン・パン(Rosinenbrötchen)や、ずっしりと重い全粒穀物パン(Vollkorn-Roggenbrot)が特に人気。迷ったときは店員さんに希望を伝えて。彼らはパンのプロフェッショナル。
パンの博物館のように、所狭しとパンが並んでいる。焼きたてを狙うなら午前中に買いに行こう。
体に良い靴、履いていますか?
Trippen
1992年にデザイナーのアンジェラ・シュピーツ とミヒャエル・エーラーによって設立されたトリッペン。足の健康と靴作りが密接な関係を持つドイツの職人ならではの、履き心地へのこだわりと、ドイツの有名デザイナー、ウォルフガング・ヨープをもうならせるデザイン性が特徴。
Flandrische Straße 10a, 50674 Köln
TEL: +49 (0)221-45318645
11:00-19:00 、日休
www.trippen.com
それぞれのお客様の「お気に入りの一足」を作り出すことがTrippenの願い。お客と長いお付き合いをできるようにと、素材には特にこだわっている。
試着の際は、かかと&つま先のフィット感に注目。同社のインソールへのこだわりが実感できるはず。