5 October 2006 vol.1065
「最高品質の肉」を目玉商品にする、今夏にオープンしたばかりのレストラン。スタッフの服装はジーンズにTシャツ、そしてメニューは、料理というよりも肉の種類や部位の名前の方が多く目に付くという飾り気のなさ。と言うのも、肉の素材の良さに大いなる自信があるからだ。その自信は、マネージャーのニックさんがイングランド北部ノース・ヨークシャーにある農家との間に培ってきた信頼関係に裏付けられている。
ニックさんが肉を買い付けている農家は、美味しい牛を育て上げる専門家。牛たちは、夏の間は山で放牧され、野性味溢れた牛となっていくのだ。またレストラン側が、肉の品質に少しでも変化を感じ取れば、すぐに農家と連絡を取ることができるという。そういった関係を農家と直に結んでいる店は、最近ではごく稀になった。
気のいいニックさんに勧められるままに、2人前は優にあるかと思われるご自慢の特大骨つきステーキ(£24.50)を試してみた。隣の客が、運ばれてきた肉を一目見ただけで瞬きするほどの重量感。火が中までしっかり通った肉は柔らかく、ナイフを通すとスゥーと気持ちよく切れる。シンプルな調理法なのにも関わらず、調味料要らずで調子よく食が進んでいく。ただ全部食べ切るには、成人男子でもそれなりの食欲と覚悟がいるだろう。
左)重量感たっぷりの骨つきステーキ
右)リブ。こちらも量は多い
さらに欲張ってリブ(£6.50)にも手を出してみた。甘く曇った独特の風味に特製ソースがよく合う。トマトを6時間熟して煮詰めたという昔ながらの製法で作られたケチャップは、トマトの甘さの中にかすかにピリリと感じるスパイスが効いている。マヨネーズ色のバネーゼは、口の中でクルクルと味が変わる不思議な存在。
左)茹でる、低温揚げ、高温揚げという3回に分けて調理されたポテト(£3)
中)ミントとシロップをベースとした「St Regis Mint Julep(£6.50)」これをチビチビと飲むと様になる
右)大きなサラダの葉をがぶりと食べよう
金融街シティに近いため、週日はマッチョな金融マンが大食いぶりを誇示しに来るほどだから、分量についてはくれぐれも事前にスタッフと相談を。恋人同士で行くのなら、メインをシェアするぐらいで丁度良いだろう。
上)併設されているバー
店名 | Hawksmoor |
住所 | 157 Commercial Street, London E1 6BJ |
TEL | 020 7247 7392 |
営業時間 | 火~土17:00-1:00、日17:00-0:00 |
Budget | £20~ |
最寄り駅 | Liverpool Street 駅 |
URL | http://www.thehawksmoor.com/ |
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