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Mon, 25 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

編集後記 4 Dec 2014 vol.1424

4 December 2014 vol.1424

籠

朝起きてカーテンを開けても、朝なのか夜なのかどうかさえはっきりしないような、どんよりと暗く寒い季節となりました。英国で初めて冬を過ごすという方は、既に少々のつらさを覚え始めているかもしれません。実際に「ウィンター・ブルース」と言って、この季節にうつ気味になる人は多いようです。物事がおっくうに感じるようになったら、照明を明るくしてみたり、部屋に花や絵を飾ってみたり、温かい飲み物をゆっくり飲んだり、そんなちょっとした工夫をしながら、小さな幸せを慈しむようにして毎日を過ごすというのが、英国の厳しい冬を越すためのコツ。春を迎えたときの感動はひとしおですよ。(籠)

月

「くまのパディントン」の実写版映画「Paddington」がPG(一部のシーンは小さな子供に適さない可能性あり)指定を受けたことが話題となりましたが、英国を代表するもう一匹のくま、プーさんにも騒動が。ポーランドの小さな町の議会で新しい子供の遊び場のマスコットを決める際、一部議員がプーさんを「不適切な」服装で「両性具有」であるため子供の遊び場には適さない、と主張したのだとか。映画「Paddington」については未見なのではっきりとしたことは言えませんが、子供のころ、私の創造力の翼を広げてくれた童話の主人公たちが「不適切」になってしまうことにやるせなさを感じてしまいました。(月)

澄

イタリアに住んでいる友人から、近くのスーパーで買ったというサラミをもらって以来、すっかりサラミ好きになってしまいました。英国内ではなかなか同じ味が見つからず、友人がくれたような脂が乗っていて噛めば噛むほどうまみが出てくるサラミを求めて、先日初めてイタリアに行ってきました。複数のスーパーやお店に入ってみれば、どこに行っても相当な種類の商品が。友人にもらったものと同様、 小さなサラミが紐で繋がっているタイプに絞って結構な数にトライしてみたものの、結局その味を超えるものには出合えませんでした。次回はさらにおいしいサラミを求めてまた旅に出たいと思います。(澄)

潜

いわゆる「ブラック・フライデー」と呼ばれる、感謝祭後の大セールが英国にも波及してきましたね。「人ごみは苦手、セールも別に……」と普段なら横目で見ている私ですが、よく使っている基礎化粧品のブランドから届いた「全商品20%オフ!!! 今だけ!!早く!!!!」のメールで心がぐらついてしまいました。そしてこの便利なご時世、人でごった返すお店に行かずとも、オンラインでポチッと購入出来てしまう手軽さに、ついついあれもこれもと……。誘惑にいとも簡単に負けてしまった私ですが、来年こそは「何があっても買わない!」という強い精神力で対抗したいと思います。でもまた負けそう……。(潜)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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