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Mon, 25 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

編集後記 22 Jan 2015 vol.1427

22 January 2015 vol.1427

籠

1月18日までナショナル・ギャラリーで開催されていた「晩年のレンブラント」展に行ってきました。同ギャラリーの会員でさえも入場するのに数時間待ちという混雑ぶり。でも、我慢して待った甲斐がありました。「光と影の画家」と呼ばれるだけあり、暗い館内で、絵そのものが発光しているかのように見えてひたすら感動。展示作品の大部分を占める肖像画では、顔の皺や手の甲に浮かぶ血管までもがものすごく細かく描かれているので、観る位置を変える度に新たな発見が。モデルが身に着けている衣装や宝石は、3Dメガネで眺めているのかと錯覚するほど立体的。幸せなため息をいっぱいついた一日でした。(籠)

月

昨年末、新年の誓いで「インターネット・ショッピングの有効活用」を挙げ、同僚にアマゾンで買い物するぞ! と宣言した私ですが、新年早々、実行してしまいました。元々「それは新年の誓いじゃなくて単なるTo Doリストだ」とお叱りを受けていたこともあり、目下新たな誓いを検討中です。首や肩の凝りがひどいので、きちんした枕を買わねばと考え早数年……。着なくなった服はチャリティーに出そう! 部屋を覆い尽くしている本を整理しなきゃ……。考えれば考えるほど、日常生活の雑事ばかりが頭に浮かびます。やはり新年の誓いは、年の暮れに来る新年を見据えつつ、熟考して練り出すものなのですね。(月)

眠

閉店間近の夜のカフェで友達と話していたところ、1歳半くらいの可愛い赤ちゃんが店内を縦横無尽にハイハイしまくり。あっちに行ってはニコニコ、私たちのテーブルに来てもニコニコ、店員さんのところでもニコニコ。この赤ちゃんに導かれるように、いつの間にか知らない人同士でおしゃべりが始まりました。日本人や韓国人、スペイン人にアルゼンチン人――それぞれフォトグラファーを目指していたり、デザイナーでロンドンにやって来たばかりだったり。世界中から人の集まるロンドンならではの光景でした。「子はかすがい」という言葉は、家族間にだけ当てはまる言葉ではないのかもしれませんね。(眠)

春

古い話で恐縮ですが、昨年末のある日、私はいつものように地下鉄に乗っていました。日本にいたときからそうなのですが、私は座席に座るよりも入ってすぐの壁際にもたれかかっている方が落ち着きます。その日の運転は少し荒めだったので、駅に停車するときの急ブレーキで向かいに立っていた見知らぬ英国男子が私を囲うように壁に手をドンッ! 「 これがうわさの壁ドンか!」と思わず感動してしまいました(笑)。何だかだいぶシチュエーションが違う気もしますが、昨年は日本で流行語大賞のトップテンにも選ばれた壁ドンを体験出来たので、今年も流行の波に乗り遅れないようにしたいと思います。(春)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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