Layer Cake(2004/ 英)
レイヤー・ケーキ
名もなき麻薬ディーラー、XXXXの最後の 仕事は、最もヤバイ仕事だった……。スタイリッシュな犯罪ドラマ。
監督 | Matthew Vaughn |
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出演 | Daniel Craig, Colm Meaney, Sienna Millerほか |
ロケ地 | St Martins Lane Hotel |
アクセス | 45 St. Martin's Lane, London WC2N 4HX |
最寄駅 | Leicester Square |
Web | www.stmartinslane.com |
- デカ長、ガイ・リッチー作品のプロデューサーであるマシュー・ヴォーンの初監督作品「Layer Cake」って観ましたか。今や6代目ジェームズ・ボンドとして色気を振りまいているダニエル・クレイグが麻薬ディーラーの役に扮した犯罪ドラマです。
- ん? あー、そんな映画あったな。
- なんですか、そのやる気ない感じは。原作はJ・J・コノリーの同名小説で、英国の裏の「階層社会(レイヤー・ケーキ)」をスタイリッシュに描いた作品ですよ。
- うーん、そうだったかね。
- 舞台は主にロンドンですが、近隣の州などでも撮影されています。
- たとえば最後にXXXXが手に入れる豪奢な館は、バッキンガムシャー州にある「Stoke Park Club」というゴルフ・クラブ。実はここ「007 ゴールドフィンガー」でも使われているそうです。
- 印象深いのはXXXXとエディ・テンプルが密談を交わすライブラリーですね。ここは英国伝統の、富裕層の社交場である紳士クラブのひとつ、ロンドン中心部にある「Athenaeum Club」で、かつてはチャールズ・ディケンズも会員だったそうです。時々ここで著作をしたためていたそうで、彼の椅子がいまだ残っているらしいですよ。
- ふうーん。
- ふうーん、って、どうしたんですか今日は。あっ、じゃあXXXXがクラブで一目惚れする女性、タミーを演じたシエナ・ミラーの話題なんてどうですか。
- あのクラブは、ヴィクトリアにある「Pacha」です。スペイン発、主に欧米でチェーン展開しているクラブですね。それから、XXXXとタミーが落ち合うお洒落なホテルはレスター・スクエア近くの「St. Martin's Lane」です。こんなホテル、一度でいいからシエナのようなセクシーな女性と泊まってみたいもんですよねえ。
- そうかあ?
- あれえ、デカ長、タイプじゃありませんでしたか?
- 悪いが全然興味ねえな。だいたいタミーって奴はXXXXが一目惚れするほどいい女か? シエナ・ミラーが悪いって言ってるわけじゃないんだ。ただ、どう見てもタミーはヒロインの器じゃないだろ。要するに女の描き方が薄っぺらいんだよ。いや、女に限らず、この映画、全体的に中途半端というか、手ぬるい感じがしてならねえ。聞くところによると、当初ガイ・リッチーが監督するって話だったそうじゃないか。 彼が撮影していたらずっとマシだったと思うな。個人的に最もマズイと思うのは、いろんな人物が登場する群像劇でいい役者も使っているのに、見ていて特に誰にも愛着を抱けないところだ。結局、人物描写が甘いってことだろう。ギャング映画に憧れているちょっと器用な人が、イメージ重視で撮ったというふうにしか私には見えないね。
- 今日はずいぶん辛口ですねえ。
- まあ、私の好みではないというだけの話だがな。
- あれっ、デカ長、その手帳に挟まってる切り抜き、シエナ・ミラーじゃないですか。やっぱりファンだったんですね。
- え? まあそのー、ゴホン。だからシエナが悪いわけじゃないって言っただろうが!
- ふう〜ん。
- う、うるさいわい。今日はもう解散じゃ。また来週!
今回はちと肌に合わない作品で辛口になってしまったわい。スタイリッシュとか評されている映画はクセものが多いな。本来、真のスタイルを持ってこそのスタイリッシュであって、表面的にクールな雰囲気を演出すればいいってわけじゃないと思うんだが。ダニエル・クレイグは決して悪くないだけに残念だ。ちなみにこの映画、続編が計画されていて、現在、J・J・コノリーが執筆にかかっているとか。うーん、もう少しだけ見守ってみますか。
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