An American Werewolf In London>
(1981 / 英・米)
狼男アメリカン
ヨーロッパに3カ月の予定でバックパック旅行に訪れた米国人青年2人。しかし英国の片田舎で狼と思しき獣に襲われ……。
監督 | John Landis |
---|---|
出演 | David Naughton, Jenny Agutter, Griffin Dunneほか |
ロケ地 | 地下鉄トッテナム・コート・ロード駅 |
- 今週は、遠吠えが似合う男・我らがデカ長がいかにも好きそうな80年代のホラー・コメディー映画です。
- おっ、分かってるねぇジロー君。そうなのだ、私はこの手のカルト・ムービーに目がないのだ。特に「狼男」っていうのがたまらなく好きなのだ! 満月の夜に野生に目覚めて変身するっていうコンセプトに、無性に惹かれてしまうんだなー。
- そういえば最近、1941年の名作ホラー、その名もズバリ「狼男」が、ベニチオ・デル・トロ主演でリメイクされましたよね。
- うん、そっちもおどろおどろしくていいんだけど、この「狼男アメリカン」はコメディー要素が入ってて、グロいんだけどカラッとしてるんだよね。監督のジョン・ランディスの持ち味が全開しとるね。
- ジョン・ランディス監督って、あのマイケル・ジャクソンの「スリラー」のPVを手掛けた人だったんですね。
- 「スリラー」はつい最近、コミュニティー・ サイトのMySpaceで実施された調査で「最も影響力の大きいポップ・ミュージック・ビデオ」の1位に選出されてましたよ。
- 「スリラー」のPVの最後で狼男の片鱗を見せるマイケルの姿に、本作の面影を見出せるってもんよ。第一、この映画は変身のシーンが非常にリアルってことで話題になって、その年のアカデミー賞でメイクアップ賞を受賞してるんだから。
- 物語は2人の米国人バックパッカー、デービッドとジャックが、狼男の存在をひた隠しにしている英国の田舎町に到着するシーンから始まりますが、こちらウェールズのPowys州にあるマーケット・タウン、Hay-on-Wyeを見渡すHay Bluffという断崖の近くで撮影されています。ちなみにHayon- Wyeは本の町と呼ばれてまして、町内に30以上の専門書店があり、全国から愛書家が訪れているそうです。
- さてその後、狼男に襲われたジャックは即死、負傷して気絶したデービッドはロンドンの病院へ運ばれます。
- そこで看護婦のアレックスに出会うんだな。すっかりいい関係になっちゃう2人だが……迫り来る満月の夜!
- はい、デービッドはこの、サウス・ケンジントン界隈Coleherne Roadの64番地にあるアレックスのフラットで、獰猛(どうもう)な狼男に変身してしまうんですねえ。そして街へと繰り出し、人々に襲いかかります。人気のない地下鉄駅構内で男性を襲うシーンがありますが、こちらはロンドン地下鉄のトッテナム・コート・ロード駅ですね。
- そして翌朝、動物園内に設置されたオオカミの檻の中で全裸で目を覚ましますが、ここはリージェント・パーク内にあるロンドン動物園です。それにしても、ほんの数分とはいえ全裸でオオカミの檻に入るなんて、かなり勇気がいったでしょうね。
- ムツゴロウさんも顔負けね。さて、クライマックスの大パニックはご存知ピカデリー・サーカスだが、ここで交通規制を設けて撮影したのは本作が初だったらしいね。
- はい、早朝の短時間ですが2日連続、道路を封鎖して撮影した模様です。ちなみにデービッドが最後に狼男に変貌する「Eros New Cinema」は1934年から85年まで営業していた映画館で、 Shaftesbury AvenueとPiccadilly Circusが交差する場所に位置していました。現在、アパレル・ショップの「Gap」が入っている建物ですね。
特殊メイク担当のリック・ベイカーは、もう一つの狼人間映画「ハウリング」のメイクを弟子のロブ・ボッティンに頼んだんだが、これが上出来で好評を博したため、師匠としての意地を見せ、それをさらに上回る変身シーンを完成させたんだね。うん、CGでチョチョイと加工できる現在の映像とはひと味違った迫力があるよ。あ、それからピカデリー・サーカスのシーンでは、ジョン・ランディス監督がカメオ出演してるよ。ショップの窓ガラスに突っ込む人が彼だ。
< 前 | 次 > |
---|