An Education
17歳の肖像(2009 / 英)
1961年、ロンドン郊外に家族と暮らす17歳のジェニーは、オックスフォード大学入学を目指して勉強中。そんなある日、年齢が自分の倍以上のデービッドという男性と出会い、恋に落ちる。
Photo: Yoshihiro Kogure
監督 | Lone Scherfig |
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出演 | Carey Mulligan, Peter Sarsgaard, Rosamund Pikeほか |
ロケ地 | St. John's Smith Square |
アクセス | 地下鉄St. James's Park / Westminster駅から徒歩 |
- いやぁこの映画、僕はとても好きでしたねぇ。ジェニー役のキャリー・マリガンちゃんがめちゃくちゃ可愛い!
- 巷ではヘップバーンの再来とも言われてるんでしょ? 知的でいてあどけなさが残る清純派なのに、ちょっと小悪魔的なところなんか、17歳の頃の私そっくり♥
- 今、すごい数の敵をつくったと思いますけれども……。それはさておき、主人公のジェニーが体現しているのは「The Sunday Times」などの有力紙で活躍する実在の辣腕女性ジャーナリスト、リン・バーバーの17歳当時の姿です。本作は、バーバーさんが自身の初恋を赤裸々に語った回想録が基になっているんですね。
- リン・バーバーは今や中高年女性がブツクサ言うBBC2の番組「Grumpy Old Women」に出演するほどの貫禄だけど、当時はきっととても愛らしかったのねぇ……。
- しかも脚本を手掛けたのは「ハイ・フィデリティ」「アバウト・ア・ボーイ」で知られる超売れっ子作家ニック・ホーンビィ。痒いところに手が届く彼はいつも僕らの期待を裏切りません! 本作で米国アカデミー賞の脚本賞にノミネートされています。
- 映画化に当たって事実を変えた部分がいくつかあるらしいけれど、すべてリン・バーバー公認のようね。唯一彼女が引っかかったのは、相手の男性の名前だったとか。本当はサイモンっていう名の男性だったらしいんだけど、脚本ではデービッドになっていた。で、デービッドって、なんと彼女の今の旦那さんの名前なんですって(笑)。
- そこにも何か因縁めいたものを感じさせますね。さて物語の舞台は60年代、ロンドン郊外のTwickenhamという町ですが、撮影の多くはイーリングのGunnersburyやロンドン西部などで行われました。
- そうそう、ジェニーが通っていた高校の舞台となったのは、ウエスト・アクトンにある日本人学校なんですってね。
- ジェニーが学校帰りに立ち寄るカフェも、その界隈です。ウエスト・イーリングはMattock LaneのSt. John's Paradeにある「Café Rosetta」がそれです。ファサードを替えていますが、一目で分かりますね。
- カフェと言えば、ジェニーとデービッドが友人カップルと初のダブル・デートをする場面にまず心が躍ったわ。St. John's Smith Squareで音楽会を鑑賞後、ゴージャスなフレンチ・カフェに行くのよね。まあ、カフェという名のナイトクラブだけど。
- あそこはPiccadilly Circusにある1924年創業の超老舗「Café de Paris」ですね。当時ドロシー・ダンドリッジやマレーネ・ディートリッヒといった大物が次々と出演し、セレブな常連客を抱えていた絢爛豪華なクラブです。ちなみにSt. John'sでコンサートが開催されるようになったのは1969年なので、61年の設定だと時代考証的に誤りということになりますね、ええ。
- まあ、そのへんは大目に見てあげましょうよ。それより、ロンドンの個人邸宅としてはバッキンガム宮殿に次いで大きいと言われている北ロンドンはHighgateの「Witanhurst」も、あちこちのシーンで使われていると聞いたんだけど。
- その通り。総敷地面積2万平方メートルのこのジョージアン・ハウスが、本作ではパリのホテル・ルームだったり、オックスフォードのB & Bだったり、はたまたクリスティーズのオークション会場だったりしています。すごい使い回しっぷりですね(笑)。
大人の女性の多くがデービッドに対して「どう見てもあの男は胡散臭いでしょ!」って感じると思うの(笑)。でも10代の女の子には、未知の世界に連れ出してくれて、ワクワクすることをたくさん教えてくれる素敵な大人の男性にしか見えないのよね。だからこそ苦々しい結果になっても、ジェニー、もといリン・バーバーは、この初恋を長年、大切に胸に秘めていたんだと思うわ。やっぱり恋こそが女を成長させるのね!
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