Death Defying Acts
奇術師フーディーニ 〜妖しい幻想〜 (2007 / 英・豪)
稀代の奇術師ハリー・フーディーニは、他界した母との霊界交信を所望し、本物の霊媒師を探し求めていた。そんな中、スコットランドでメアリーという女性霊媒師に出会う。
© Britainonview
監督 | Gillian Armstrong |
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出演 | Guy Pearce, Catherine Zeta-Jones, Saoirse Ronanほか |
ロケ地 | エディンバラ城 |
アクセス | ロンドンKing's CrossまたはEuston駅からWaverley駅まで列車で約4時間半 |
- 英国に来てから、なぜかスピリチュアルなものに興味を持っている女性に出会うことが多いんですよね、僕。
- 英国は知る人ぞ知る、スピリチュアリズムやオカルト研究の本場だもんな。よく知られるところでは、作家のコナン・ドイル先生が心霊学に傾倒して、英国スピリチュアリスト協会なるものに在籍してたりとかな。
- 科学を信じる現実主義の僕はあまりそのへんに興味ないのですが、今週の映画の主役であるハンガリー出身の偉大なマジシャン、ハリー・フーディーニさんのことは、雑誌の記事か何かで知って、ファンになってしまったんですよね。それで、彼のような人が霊媒に興味を抱いていたというのを知って、ちょっと驚いたといいますか。
- お母さんの死が彼をそんな心境にさせたんだろう。つまり彼は信じるとかそういう次元ではなく、本気だったんだよね。本気であの世にいるお母さんと会話したかった。だからインチキばっかりの霊媒師の中に、本物がいるかもしれないっていう考えを捨てられなかったんだな。コナン・ドイル先生とも親交があったらしいけど、心霊術にロマンティックな幻想を抱いていたドイル先生のことを批判するような発言を残しているらしいし。私もどちらかと言えば現実主義の人間だが、このフーディーニの心境は少し分かるような気がしたよ。
- 僕は今回、フーディーニのことを初めて知ったのですが、そういう予備知識なしで本作を観ると……つまり、フーディーニが実在したことや、最愛の母との別れに耐えられず本物の霊媒師を探し求めていたことなどの事実を知らずに観ると、なんだかとっても陳腐な恋愛劇に見えてしまうんですよ。おいおい、やっぱり艶っぽい美女にはコロッといってしまうのかー、みたいな。
- まあな、あの霊媒師親子の存在はフィクションだから仕方ないね。しかし相変わらずキャサリン・ゼタ=ジョーンズはお色気を振りまいているが、ベンジー役のシアーシャ・ローナンがめちゃ可愛いな! 「つぐない」でも可愛いと思ったが、こっちの方がハートを鷲掴みにされたぞ。
- デカ長、ロリコン趣味がバレますよ。なーんて、実は僕もシアーシャちゃんに夢中でしたけど♥ 彼女だけでも観る価値あり!
- 年増、じゃなくて大人の女性が好きな僕としてはゼタ=ジョーンズにやっぱり目がいきましたけどね。ところでフーディーニを演じたガイ・ピアースは、ニュージーランド出身のマジシャンで俳優のロス・スキッフィントンに6週間師事し、マジックのノウハウを学んだそうですよ。英国のマジシャン、スコット・ペンローズが全体の監修を務めています。
- 撮影は主にロンドン、エディンバラなどで行われています。公演でエディンバラを訪れたフーディーニが宿泊しているホテルは、バッキンガムシャー州にある19世紀のカントリー・ハウス「Halton House」ですね。またマクガービー親子はフーディーニに招かれて同じホテルに宿泊しますが、ベンジーが部屋の窓から眺めているのは、威風堂々、キャッスル・ロックの上にそびえる「エディンバラ城」と「スコット記念碑」です。
- フーディーニが公演を放り出してマクガービー親子と夜、高い塔の上でちょっとしたお遊びをするシーンも「スコット記念碑」ですよね。作家で詩人のウォルター・スコットの業績を讃えて19世紀に建てられた、かの有名なゴシック様式の尖塔です。
「脱出王」の異名を持つハリー・フーディーニは、「死後の世界があるなら、必ず連絡する」と言い残してこの世を去った。死後85年が経過し、いまだ連絡は来ていないようだけどね。ちなみに現在、ソニー・ピクチャーズでフーディーニの伝記映画の制作を企画中らしい。「アイ・アム・レジェンド」のフランシス・ローレンスが監督候補に挙がっているらしいよ。楽しみだね。
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