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Sat, 23 November 2024

モン・ブランならぬモン・ルージュ? from France

モン・ブランならぬモン・ルージュ?
染色の代わりに赤く染色された
キャンバス生地で モン・ブラン山頂を
覆い尽くしたエヴァリスティ氏
Marco Evaristti. www.evaristti.com
フランス中部に位置する欧州最高峰(4810メートル)の山「モン・ブラン(白い山の意)」がこのほど赤色に染められそうになるという珍事件が発覚した。フランス公共ラジオによると、首謀者はチリ出身のデンマーク人芸術家マルコ・エヴァリステイ氏(43)。当初の計画では染料をぶちまける予定だったが、横槍が入ったため、染色した生地を広げて代用。同山中の標高3400メートルの地点まで下りてきたところを自然環境保護違反の容疑で御用となった。

エヴァリスティ氏は、地元デンマークで過激な作風で知られており、5年前に同国のトラフォルト美術館で行われた展示では、金魚を電気ミキサーの中に入れ展示し、来客者にミキサーを作動させるか否かの選択権を提示した、いわくつきの人物。

今回の「モン・ルージュ(赤い山の意)」計画は、エヴァリスティ氏の自然環境保護計画作品3部作のひとつで、最初の作品は2004年にグリーンランドの流氷を赤く染め、米国がトゥーレ基地近くに廃棄した核廃棄物に対して抗議したものだった。

今作品ではフランスが以前ポリネシア諸島沖で行った核実験に対する抗議作品で、「自然は誰の所有物なのか」という問いかけをフランスが誇るモン・ブランを赤く染色して訴えようとしたという。作品に使う染料およそ1200リットルを運ぶために、15人のクルーを結成しており、経費は5万ユーロかかったとか。

同氏は、自身の作品が環境保護に密接に関連しており、使われる染料なども植物性のものを使用しているので、「環境汚染には繋がらない」と主張して、今回の拘束に異議を唱えているが、地元のシャルレ市長は「植物性の染料が無害なのは一般的な土地環境の場合においてのみ、氷山や流氷の上では一旦しみこんでしまった染料は、長期にわたり残るので致命的な汚染となる。純粋さの象徴である山で恥ずべき行為だと」遺感をあらわにしている。

環境破壊を非難するはずの行為が破壊行為であるならば意味がない。逆説的ながらも、この事件を機に環境汚染に関して注目が集まり、人々のモラルも向上してくれれば良いのだが。

「Libération」紙 “Un artiste danois veut changer le Mont- Blanc en Mont-Rouge”



 

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