ナターシャさん誘拐のニュースは
世界中のメディアを駆け巡った
PA Photo Ronald Zak
社会を震撼させた事件が起きたのは1998年。当時10歳だったナターシャさんは登校途中に44歳の男に誘拐され、ウィーン郊外の民家の地下に掘られたわずか6平米の窓のない部屋に監禁された。彼女は外の世界との接触をほとんど絶たれ、そこで8年半を過ごしたが、男のすきを見て逃げ出し、無事保護された。犯人はナターシャさんの逃亡を知った直後に電車に飛び込み、自殺。その後、彼女が「ニワトリ小屋」と語った部屋が公開されるなど事件の全貌が明らかになった。
「とても優しそうで、髪は(俳優の)ヒュー・グラントみたいにふさふさしている」。地元紙がこのたび報じたナターシャさんのお相手とされる男性は、彼女の弁護士の息子である21歳の青年。週末、ウィーン市街のディスコに姿を現した2人はとてもリラックスした様子で、仲睦まじそうに肩を寄せ合っていたという。ナターシャさんは黒のイブニングドレスにネックレス を付け、とてもシックな装いだったとか。
不幸な事件を乗り越え、新たな人生を踏み出した19歳の娘に訪れたハッピーな恋。父親のルートヴィヒさんは2人を温かく見守っていきたいと話している。「でも、優しい男じゃなかったら、娘とは付き合わせないよ」と、世の父親の常套句も。一方、母親のブリギータさんは少し心配な様子だ。「ナターシャは外の世界に出ていくのにとても時間がかかったわ。彼はただのお友達なのでは?」
ボーイフレンドにしろ友達にしろ、19歳の女性として普通の生活を送れることこそが、 ナターシャさんにとってはきっと何よりの幸せに違いない。
「Die Welt」紙ほか “Natascha Kampusch verliebt und flirtend”
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