いつの時代も女性は占いが大好き
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そもそも人間は、古代より占いという存在に頼らずにはいられない生き物であった。見えない未来を予測するために、我々は太陽や月、はたまた動物の内臓を使うなど、さまざまな手段で未来を予知する方法を編み出してきた。時代は変わって21世紀になっても、占い熱は衰えを見せるどころか、さらに勢いを増している。フランスもその例外ではなく、現在国内には約10万人もの占い師がおり、フランス人女性の約2割は占い師に鑑定を頼んだことがあるという。国内で占いに費やされる金額たるや、年間約30億ユーロ(約4831億円)に上るとも言われているのだから、件の女性が横領した3万ユーロも、それに比べれば微々たるものに思えなくもない。
今回の詐欺事件、警官が他人のお金を使って占いに興じていたというだけでも驚きなのだが、さらに衝撃の事実がある。被害者の1人が、不審な引き落としに気付いて警察署に届けを出したことから事件が発覚したのだが、初めに対応したのがこの詐欺犯本人だったというのだ。その時は淡々と被害届に情報を入力し、後になって消去したというが、その心中やいかに……。待てど暮らせど調査が進まないのに業を煮やした被害者の再三の催促によって事態が明るみになったが、どんなに霊感の鋭い占い師であっても、さすがにこんな珍事は予想できなかったことだろう。
「Le Parisien」紙ほか "La policiere arnaquait... les gardes a vue Benoit Hasse"
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