西元久雄さん
Hisao Nishimoto
Primetals Technologies Limited
Expert, Human Resources
- 肩書き
- 人事コンサルタント
- 経歴
- 福岡県出身、九州大学理学部生物学科卒。同大学大学院人間環境学府行動システム学科修了。2008年に三菱重工業入社。大型船舶の輸出営業、インドでの火力発電所建設工事の現地管理業務、安全管理業務、グローバル人事業務(海外派遣管理、グローバル・タレント・マネジメント)などに携わる。15年よりプライメタルズテクノロジーズ社(三菱重工業の連結子会社である三菱日立製鉄機械とドイツのシーメンスの合弁会社)にてグローバル人事業務を担当している。
まずは挨拶をすることが
初めの一歩となる
主な業務内容についてお聞かせください。
製鉄プラントの開発や製造を通じてソリューションの提供を手掛けるプライメタルズテクノロジーズ社で人事を担当しています。この会社は、三菱重工業と日立製作所、IHIが出資する三菱日立製鉄機械とドイツのシーメンスとの合弁会社として2015年1月に設立されました。
私の仕事は、2つの異なる企業が合体してできたこの会社に、人事を通じて新しく一つの文化をつくりあげること。三菱日立製鉄機械及びシーメンスのメタル事業は、メタル・ビジネスに新たな価値を見出すグローバル・メーカーを目指して一つの会社となりました。新会社の社名には親会社の名前は入っていません。また本社は、従来本社があった日本でもオーストリアでもなく、英国のロンドン西部に構えています。これは新しい企業文化及び企業価値を作り上げるという決意の表れです。当社のキーワードは「As One」。社員が一丸となって存分に力を発揮できる環境づくりに、人事制度の構築などを通じて貢献していきます。
異なる企業文化が組み込まれた合弁会社の人事業務では苦労が多いのではないでしょうか。
以前からずっと人事の仕事がしたいと思っていたので、苦労は多いながらも多様性を有する人の力を信じて楽しく仕事に取り組んでいます。大学では生物学を専攻し、生物がどうやって環境に適応し、そして進化していくかということについて勉強しました。大学院では行動心理学を学び、人が集団の中でいかに力を発揮するかを研究することに。そのころに得たのが、バブル崩壊を受けた日本の各企業が成果主義を積極的に導入していく様子などを見ることで培った、環境の変化に組織はどう適応していくのかということを見出す視点です。今は当社がメタル・ビジネスに新たな価値を見出す姿を夢見て日々業務に取り組んでいます。
異なる文化背景を持つ社員と円滑なコミュニケーションを取るためにどのような工夫をしていますか。
やはりまずは挨拶をすることが初めの一歩となるのではないでしょうか。言い換えると、挨拶できる関係性を構築すること。いったん挨拶をしなくなると、挨拶をしないことが当たり前となり、会話がなくなってしまう。一方で、普段から挨拶を交わし、何気ない会話をしていれば、いざ何かあったときに話を持っていきやすいですよね。
あとは共通の目標を持つこと。なぜ自分たちはこの企業の一員としてこの場にいるのかということを共有するのが大事だと思います。この点を共有できなければ、何のために議論しているかが分からず、質問の意図も分からない。同じ目標を同じ視線から見つめることができれば、自ずと一定の関係性を構築できるのではないでしょうか。
社内で議論をしている際に、全く同じ単語を使って話をしているのに、発言者によってその単語の意味や定義が異なるということは多々あります。企業文化が違えば、同じ言葉を使っても、その言葉に紐付く情報量が異なりますよね。そういう場合はさらなる議論を重ねて、どういう意味合いでその言葉が使われているかというところから考えることが必要になると思います。
ロンドンにあるお勧めのバー
Sam's Brasserie & Bar
オフィスの近くにあるパブです。午後5時から7時までは飲み物が割安料金なので、「飲みニケーション」の場として活用しています。
11 Barley Mow Passage, Chiswick, London W4 4PHTel: 020 8987 0555
9:00‐深夜
www.samsbrasserie.co.uk
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