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Thu, 21 November 2024

ロンドン妊婦のつぶやき

第21回 Hypochondriac

第21回 Hypochondriac

「Hypochondriac」という言葉をご存知だろうか。ことあるごとに「自分は深刻な病気ではないか」と過度に心配する人を指す言葉である。私の父はこの傾向があって、しょっちゅう「寒気がする、風邪をひいたに違いないから、今日は寝ている」とか、「目が痛いから、大事をとらねば」などと言っては、母を呆れされている。

何の因果か、私の夫もこれ。「手に不審な出来物が」と病院に駆け込んだり(→ただのおできだった)、「目がチカチカする……」と言って心配したり。そして、息子が生まれてからは、hypochondriac な人間が親になるとこうなる、という見本と化している。

赤ちゃん

まず、息子が生後1週間のとき。息子はオムツを汚す回数が非常に多かったのだが、その日は特に多く、優に20回は超えていた。すると、夫が「この回数は異常だ! 『大』も水っぽいし、下痢ではないか」と言い出し、緊急小児外来へ。(→母乳しか口にしていない赤ちゃんの『大』が水っぽいのは当たり前で、回数も特に異常なしと言われる)

次に、息子が生後2週間のとき。「右目はちゃんと開いているのに、左目は半分しか開いていない。左目に異常があるのでは」とGPへ。(→生後間もない赤ちゃんの顔は安定しておらず、心配するに足らずと言われる)

ただのオムツかぶれでGPくんだりまで行ったこともあった。

こんな調子で、度々NHSのお世話になっている私たち。「あなたたち、ファースト・タイム・ペアレンツね」と苦笑いされながら。

用心するに越したことはないのだろうけれど、すぐパニックを起こす夫につられて、私もヒヤヒヤしてばかり。心臓に悪いから、止めてほしい……。でも周りの話を聞いていると、結構似たり寄ったりのようだ。友人夫婦は、長男の生後間もなく、寝ている息子を見て「呼吸が激しすぎるのではないか」と緊急小児外来へ駆け込んだのだとか(→赤ちゃんは呼吸が大人より激しいのが普通)。初めての子に対しては、どうしても hypochondriac 気味になってしまうものなのかもしれませんね。

 

Mcleod 和子
英国の大学院に留学後、日本で会社員生活を送る。日本で出会った英国人と4年の交際を経て結婚。夫の転勤に伴いロンドンに移住した直後に妊娠が判明する。現在30歳。
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