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日経電子版Pro
Fri, 05 March 2021

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英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第9回 被写体を際立たせる
~被写界深度について

同じアングルで撮られた写真でも、絞りの値(f値)が異なると、その仕上がりの印象はずいぶん違ってきます。

f値によってピントの合う奥行きが異なってくることは前回もご説明しましたが、f値を小さくし、ピントが合う奥行きを狭くして撮影した写真を、「深度が浅い写真」と呼びます。逆に「深度が深い写真」とは、手前から背景にいたるまで、広範囲にわたりピントが合った写真のことです。

正しくは「被写界深度」と呼ばれるこの「深度」は、前述のように「浅い」「深い」という言葉で表されますが、これをうまく使うことで、被写体と背景の関係性をコントロールすることができます。 

例えば、被写体を際立たせたいのに被写体周辺に写り込む要素が多過ぎる時などは、深度を浅く、背景をぼかして撮影します。そうすることで視線が散漫になるのを防ぐのです。

逆に、記念撮影などで背後の建造物や風景もはっきりと写し込みたい時、また集合写真でたくさんの人たちと一緒に写真を撮る時などに効果的なのが、深度を深くした撮影です。特に集合写真を撮る際に深度が浅いと、特定の列の人たちにしかピントが合っていないという事態になりかねません。また前回にもお話しした通り、f値を大きくするとそれに応じてレンズの穴が絞られていくため、不足した光を取り込もうとシャッター・スピードは遅くなっていきます。集合写真に三脚が使われることが多いのは、構図を定める目的以外に、深度を深くするためにf値を大きくした結果シャッター・スピードが遅くなることで起きる、手ぶれを防ぐためという理由もあるのです。

今回はポートレイトや花、料理の撮影に使われることの多い、「深度が浅い写真」の例をいくつか紹介します。これからの季節、花を撮影する時などに応用してみてください。


 
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前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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