ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Tue, 03 December 2024

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第17回 知らなかった表情を見付ける
〜「写真写り」について(2)

引き続き、「写真を撮られる側になった時」の話を続けましょう。

色々な環境下で撮影されていても、ポーズや表情が似ていると、できあがった写真は単調なものになりがちです。カメラの真正面に立って写るだけでなく、目線を外したり、右や左から、あるいは振り向いたような角度で写ったりすれば、自分の知らなかった表情が見付けられるでしょう。また、立って写るだけでなく、座ったり、ポーズを付けてみたりしても、新しい発見があるはずです。

もちろんこれらは、誰かを被写体にして撮影する時にも役立ちます。様々なポーズを自分で試してから、「ポートレート撮影」に応用してみましょう。

写真1では、モデルはカメラに正面を向いて立っています。写真2と3は、モデルに右や左を向いてもらいながらシャッターを切ったことで、真正面の表情とはまた違った雰囲気になっています。

特に、観光地などで素敵なロケーションに遭遇した時は、ぜひ思い出に残るポートレートを友人同士などで撮影したいものです。f値の調節(f値を小さくすると、被写界深度が浅くなり、被写体が際立つ。本コラム第9回を参照)や、「黄金比分割」(本コラム第10回参照)など、今まで学んだことも応用しつつ、お互いの様々な表情を撮影してみましょう。ただ、この時注意したいことが一つ。f値を小さくして撮影した写真ばかりだと、背景がぼやけてどこで撮影されたものなのか分からなくなってしまう可能性もあります。まずは、被写体深度の深い、背景にもピントの合った風景写真を、撮影しておくことをお勧めします。


(写真1)
50mmレンズ使用 f値4 シャッター・スピード1/250
トラファルガー広場にて


(写真2)
写真1と同じ条件で撮影


(写真3)
写真1と同じ条件で撮影
右や左などの違った方向から撮影することで、
いつもと違う表情を見付けてみたい


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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