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Sun, 22 December 2024

今すぐ英国を撮りに行こう
英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第43回 目的に応じて自由な発想で
~「トリミング」や構図の違いを利用する~

建物などが美しく見える撮影スポットを見つけても、被写体から撮影位置までの距離が遠過ぎたり、周りに余計な物が写り込んでしまったりなど、撮影の条件がいつも万全だとは限りません。

今回、写真1を撮影したポイントは、被写体から幾分離れた場所だったので50ミリの標準レンズを使用しました。被写体の全体像はカメラに収まっていますが、左右の建物まで写り込んでいますので、少し閉塞感を覚えます。そこで、中望遠レンズ(65ミリ程度のズーム・レンズ)に変え、前回(本コラム第42回)と同じように、左右の余計な写り込みをなくす目的でカメラを縦に構えました(写真2)。

適したレンズが手元になかったり、レンズの交換が難しかったりする場合は、トリミング(不要な部分をカットして画像を整えること)することを前提に撮影するといいでしょう。写真1をトリミングして、画像を整えたものが写真3です。「トリミング」や「切り抜き」という名前で、カメラ付属のソフトなどにあるツールで、コンピューターのモニター上で画像を好きなように切り取ることができます。

そして同じ位置から、今度は200ミリの望遠レンズで撮影したのが写真4です。レンズが違えば、たとえ同じアングルから撮影した写真でも、写真1と4のように目的に応じた異なるイメージで撮影ができます。


(写真1)
50ミリの標準レンズで撮影。両側の建物やライトが写り込んで
いるため、閉塞感を覚える


(写真2)
中望遠レンズに交換して、左右の建物を
カットするため縦のアングルにした


(写真3)
写真1をトリミングして、周りの建物などを取り除いた。結果、
被写体に焦点が絞られた


(写真4)
写真1と同じ撮影位置から、200ミリの望遠レンズで撮影した


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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