#34 ケンブリッジ発の本のようなノート
ケンブリッジ・インプリント/ラージ・ハードバック・ノートブック
Cambridge Imprint/Large hardback Notebook
£18.50 (200x170mm 80頁)
www.cambridgeimprint.co.uk
欧州で文房具を買おうとすると、質実剛健なドイツ製やおしゃれなフランス製、もしくは日本からの輸入品が主流だ。では英国製の文房具はないのかというと、ペンや消しゴムではなく、レター・セットや装飾紙のジャンルが花開いている。今回は、英東部ケンブリッジを拠点にしたケンブリッジ・インプリントのノートをご紹介しよう。同社は、画家のクレアレン・ジェームズ、テキスタイル・デザイナーのジェーン・パウエル、陶芸家のアリ・マーフィーという3人の女性によって10年ほど前に立ち上げられた印刷会社。商品は今ではリバティーやヴィクトリア&アルバート博物館はもちろん、京都のデザイン・ショップでも取り扱いがあり、文房具からファブリックまで多岐にわたる。元となるデザインはいずれもステンシルを使ったスクリーンプリントで印刷されており、どこか懐かしくも新しい風合いで英国らしさにあふれる。ケンブリッジ・インプリント製品の特長ともいえる鮮やか、かつ微妙な色合いは、ベジタブル・オイルのインクが使われていることも理由の一つ。地域にも環境にも優しいものづくりを目指し、紙も持続可能な森林活用・保全を目的とした、適切な森林管理を認証するFSC認証を受けている。
ここで紹介しているハードバック・ノートブックは、名前の通り本のようにしっかりとした表紙のノート。手で押さえなくとも180度開いたままにできる糸かがり式で、使いやすい製本になっている。中の用紙は目に優しいアイボリーで、書いた文字が透けたりにじんだりしないよう配慮されており、このノートに何を書こうか考える時間も併せて楽しめる、大切に使いたい1冊だ。写真のグリーンのノートは「シード・オリーブ」というネーミングだが、このほかにも、英作家ヴァージニア・ウルフの姉で、画家兼インテリア・デザイナーのヴァネッサ・ベルが暮らした家、「チャールストン・ハウス」にインスパイアされたチャールストン・シリーズのノートも好評。同じデザインのカードやラッピング・ペーパーなどもあるので、大事な人へプレゼントを贈る際にいかがだろうか。