ニュースダイジェストの制作業務
Thu, 30 January 2025

メイド・イン・ブリテン Made in Britain 英国ブランドの物語

#48100年以上続く国産の靴墨

Cherry Blossom/Shoe Polish

チェリー・ブロッサム / シュー・ポリッシュ
Cherry Blossom / Shoe Polish

80g(テスコなど小売店で販売) £3.50
https://cherryblossom.co.uk

革靴のお手入れに欠かせない靴墨。靴をより美しく保つためのワックス状の靴墨が開発されたのは18世紀後半から19世紀ごろで、当時の英国では靴墨を製造する会社が複数存在していた。しかし、次第にその数は減少し、現在まで英国で生産されている靴墨ブランドは非常に限られている。

1906年に創業した靴墨会社「チェリー・ブロッサム」はもともとロンドンを拠点としていたが、現在は英中部ダービーシャーのアルフレトンを拠点とするアウトドア製品会社「グレンジャーズ」のブランドとなっており、同地の工場で製造されている。

創業者であるチャールズとダン・メイソン兄弟は、革が擦り切れたり、靴のほかの部分にすぐに色が移ってしまう既存の靴墨にうんざりしていた。とにかく長持ちする靴墨を作ろうと2人が所有していたせっけん会社の容器製造の際に余ったブリキ板を活用して小さな缶を作り、専門家を雇ってクリームの配合を考えた。

2人の功績は商品開発だけにとどまらない。業績が伸びるのに従い、メイソン兄弟は診療所を社屋に構え、年金制度やテニス・コート、スポーツ・パビリオンなど運動施設を提供するなど、福利厚生を充実させ、従業員たちに利益を還元していった。後に地域の病院を設立するための寄付金を出資するなど、靴墨会社としての枠を超え、地域の人々の生活にも多大なる影響を与えたという。

画期的な勤務体制を築き上げてきたように、同社の製品も時代の変化による需要に常に応えてきた。現在は革だけでなく、スウェードやキャンバス生地といった靴を構成するさまざまな材質に対応する製品を販売。クリーナーなどを中心に外出先でも靴のケアができる「Core」、さらに高品質の「Platinum」、スニーカーに特化したケア製品「Sneaker」という三つのカテゴリーに分け、日々商品開発に励んでいる。

靴墨は写真の黒のほか、ダーク・ブラウン、オックスブラッドなど全7種。黒以外は£2(40g)で販売しており、全ての革靴に使用可能だ。手ごろな価格で長持ちすることに加え、近年の「今持っているものを長持ちさせる」という消費者の傾向の影響を受け、何世代にもわたって愛されている数少ない国産ブランドとなっている。

 

お引越しはコヤナギワールドワイド 24時間365日、安心のサービス ロンドン医療センター 不動産を購入してみませんか LONDON-TOKYO 日系に強い会計事務所 グリーンバック・アラン

JRpass totton-tote-bag