「ポール・スミス」「ヴィヴィアン・ウエストウッド」といったロンドンを代表するブランドを始め、56のブランドのキャットウォーク・ショーが華やかに登場したロンドン・ファッション・ウィーク(LFW)のAW13コレクション。「トップショップ」がサポートする「メアリー・カトランズ」や「ソフィア・ウェブスター」など、エッジの効いたデザインを発表する気鋭のニュー・ジェネレーションにも注目が集まった。自由でエキサイティングな5日間をリポートする。
(取材・文: Sayaka Hirakawa)
公式スケジュール「ON」
5日間にわたり秋冬の新作がお披露目された公式スケジュール「ON」。一流モデルがランウェイを闊歩した56のキャットウォーク・ショーと、各ブランドが様々なべニューで個性的な空間をつくり出した20のプレゼンテーションのうち、注目ブランドの最新ルックをご紹介。
Vivienne Westwood Red Label
ヴィヴィアン・ウエストウッド・レッド・レーベル
子供のいたずら書きのような奇天烈なメイクに目を奪われるが、それを別にすれば、女性らしい美しいラインと適度な遊び心を備えたウェアラブルなルック。ゼブラ柄コートにストライプのソックス、タータン・チェックをミックスしたウエストウッド・ワールドから始まり、フェミニンさの際立つボディコンシャスなドレス、メタリックな素材を多用したパンクなスタイルへと鮮やかな多様性を見せつけた。
左)深みのあるパープルとブルーのコートにカラフルなニーハイ・ソックスをイン
中央)くすんだブルーのボリューミーなコートには、タイトなクロップド・パンツでバランスを
右)ラウンド・ショルダーのゼブラ柄コートにチェックの
スカートがユニーク
Paul Smith
ポール・スミス
圧倒的に美しいテイラードを、印象的なカラー・パレットで彩ったポール・スミス。こっくりと深い赤にピンクとパープルを重ねたファースト・ルックから、力強い色のパワーに圧倒される。動きのあるゆったりとしたパンツに、オーバーサイズのコートで作るハンサムなシルエットが特徴的。一方で、建築物を映したフェミニンなミニ・ドレスや、英国旗をモチーフとした幾何学プリントがアクセントとなったルックも。
左)柱や回廊など、建築物のイラストをプリントしたフェミニンなミニ・ドレスが登場
中央)ゆったりとしたパンツ・スタイルにスマートさが感じられる
右)ターコイズ、パープル、ピンクと主張のある色を重ねたカラー・パレットが新鮮
Margaret Howell
マーガレット・ハウエル
将校の制服を思わせる胸元のパッチ・ポケット、エポレットと呼ばれる肩章、斜めに被ったベレーと、ミリタリー風を取り入れた実用的かつマニッシュなコレクション。とはいえ、素材には上質のウールやツイードを用い、 かっちりとしたシャツ・ドレスやプリーツ・スカート、P コートをあくまでエレガントに見せる。重厚なニーハイ・ブーツと機能的なサッチェル・バッグをアクセサリーに、ミリタリー・ガールの完成。
左)オーバーサイズのニットにワークタイプのスカートというマニッシュなスタイル
中央)アクセント・カラーとなった深い赤のプリーツ・スカートとウール・ニット
右)ミニマルな中に機能性を備えたシャツ・ドレスにシンプルなサッチェル・バッグがポイント
Marios Schwab
マリオ・シュワブ
レッド・カーペットでのドレス・スタイルで絶大な人気を誇るマリオ・シュワブ。今季は、「詩を体に纏う」をコンセプトに幻想的なショーを展開した。レースや透ける生地、鳥の羽のような刺繍 、ラテックスなど幅広いマテリアルを次々と披露。ラストは、鏡の破片がシースルー・ドレスの中から輝くファンタジックなガウンが印象的だった。
左)主張のあるグラディエーター・ブーツに注目
右)ラテックスのスカートから大胆にのぞくレースが官能的
Mary Katrantzou
メアリー・カトランズ
ギリシャ出身のメアリー・カトランズは今季、自身のトレードマークであるマルチ・カラーの鮮やかなプリントを封印。白黒の風景写真にインスピレーションを受けたというコレクションは、どこかダークな気配が感じられる。構築的なシルエットは健在で、大きく張り出した袖や、折り畳んで作る首元のラインには、日本の着物や折り紙のエッセンスが反映されている。
左)木々や湖の風景がプリントされたドレス
右)折り紙モチーフのパンツ・スーツをヴェールで覆ったような神秘的なルック