ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Sat, 02 November 2024

いつもの風景を空の上から見下ろす
ロンドンを登ろう!

いつだって、どの街にいたって、高い場所からの眺めは心を解放してくれる。とりわけ平地続きのロンドンでは、高所からの見晴らしの良さは格別だ。そこで、ロンドンにある選りすぐりの高所を集めた。

最終更新日:03 October 2016

自分の足を使って登る

自らの足で登って到達した高所からならば、見下ろす眺めを目にしたときの解放感は倍増するだろう。たまの休日などに軽いハイキング気分を味わうことができるお勧めのポイントを体験記と合わせて紹介。

ロック・クライミング並みの本格派
The O2 ジ・オー・ツー

● 高さ: 52メートル ● 傾斜: 最高30度

「ミレニアム・ドーム」として2000年に開業後、再開発を経て現在は「The O2」として運営されているドーム型の巨大イベント会場。ハイテク志向の英国人建築家リチャード・ロジャースが設計を担当した。2012年に開催されたロンドン五輪では、内村航平選手の活躍が注目を集めた体操競技の会場に。本欄で紹介するアトラクションでは、このドームのまさに屋根の上で、ロック・クライミングさながらの本格的な登頂を体験できる。

The O2

体験記

集合場所に赴くと、笑顔が爽やかなインストラクターから囚人服みたいな青い防護服に着替えるよう指示されました。その防護服の上に、「ハーネス」と呼ばれる安全ベルトを装着。ハーネスの使用法についての講義を受けた後で、いよいよ登頂開始です。スタート地点から頂上までを結ぶ手すりに、ハーネスの先端にある金具を引っかけて登ります。一番きついところで傾斜30度という急勾配な上に、足の踏み場がつるつると滑るので、腕にかなりの力を入れないと身体を支えることができません。でもこれだけ苦労して登った頂上からの眺めは最高に気持ち良かったです。ハーネスの使い方の説明など理解する必要があるので、英語に自信がある人を同伴すると安心かも。

The O2
Peninsula Square, London SE10 0DX
North Greenwich駅
0208 463 2680
季節、曜日によって営業時間は異なる。詳細は上記ウェブサイトを参照
月〜金 £28、土日祝日 £35
www.theo2.co.uk/upattheo2

証明書だってもらえる
The Monument to the Great Fire of London モニュメント

● 高さ: 48.7メートル(塔全体の高さは62メートル) ● 階段: 311段

地下鉄モニュメント駅から出てすぐの距離にある高い塔がこのモニュメント。ロンドンのシティ周辺が焼野原と化した1666年のロンドン大火の犠牲者を追悼し、またこの出来事を忘れぬよう建てられたもので、日本語では「大火記念塔」と訳されることが多い。全長62メートルという高さは、この塔から大火の火元となったプディング・レーンにあったパン屋までの距離に相当する。上階に設けられた展望スペースから金融街シティの街並みを一望できる。

ロンドン大火記念モニュメント

体験記

塔の展望スペースまで続く階段の段差はそれほどきつくないのですが、問題は階段の幅。上に行けば行くほどその幅はどんどん狭くなっていき、展望スペースへの出入口近くになると子供同士がすれ違うのもやっとです(ちなみに戻りも同じ階段を使って降りなければなりません)。ただ頂上からの眺めはやはり美しいです。先日オープンしたばかりのザ・シャードや通称「ガーキン」を始めとする奇抜な現代建築の建物が目前に迫るような光景は、なかなかの見応え。あと最後に「モニュメントに登りました」といった内容が書かれた日付入りの証明書のようなものをもらうことができるので、これはロンドンでの良い記念品になりそうです。

The Monument to the Great Fire of London
Fish Street Hill, London EC3R 6DB
Monument駅
10月〜3月 9:30-17:30、4月〜9月 9:30-18:00
£4(16歳以下£2)
www.themonument.info

取材・写真:Kohei Ojima

あの鐘のそばにまで行ける!
Big Ben ビッグ・ベン

● 高さ: 62メートル(塔全体の高さは96メートル) ● 階段: 334段

英国の議会政治を象徴する建物であるとともに、ロンドンの代表的な観光名所であるビッグ・ベン。国会議事堂の東端に付属する時計台に取り付けられた大時鐘及び時計台そのものの呼称として世界中に知られている。つい最近までこの時計台の正式名称は「クロック・タワー」だったが、2012年に迎えたエリザベス女王の即位60周年を記念して「エリザベス・タワー」と改称。このビッグ・ベンの見学ツアーに参加するためには、自分が住む地区の国会議員に依頼する必要がある。

※2016年は予約満席、2017〜2020年は工事中。2020年前半よりツアー再開予定

Big Ben

体験記

国会議事堂のホームページ(www.parliament.uk)で国会議員の名前と連絡先を探して「ビッグ・ベンの見学ツアーに参加したい」とメールで依頼すると、しばらくして「手配できました」との返事が。指定された時間に待ち合わせ場所となる、大通りを隔てて国会議事堂と向かい合う議員会館まで向かうと、そこからはツアー・ガイドさんが案内してくれます。かつて国会での討論を妨害した議員を収容するのに使われていた独房なども途中で見学しつつ、やはりクライマックスはビッグ・ベン。ここでツアー参加者たちに前もって渡された耳栓を装備してしばし待機すると、大きな鐘の音が! そう、ビッグ・ベンの鐘を間近で観賞することができるのです。ものすごく大きな音なのでご注意を!

Big Ben
Westminster Bridge Road, Parliament Square, London SW1A 0AA
Westminster駅
020 7219 4272
ツアーの開始時刻は月~金 9:15、11:15、14:15の1日3回
無料(要予約)
www.parliament.uk/visiting/visiting-and-tours/ukvisitors/bigben

ロンドンにいるなら一度は登りたい
St Paul's Cathedral セント・ポール大聖堂

● 高さ: 85.4メートル(ドーム全体の高さは111.3メートル)● 階段: 528段

サッチャー元首相の葬儀や、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚式が執り行われた場所として有名なバロック建築の教会。ロンドンの中心地として位置付けられており、市内の主要な場所から同大聖堂が見えるようにとの配慮から、グリニッジ展望台やハムステッド・ヒースなどを含む8つの地点と同聖堂を結ぶ「ヴィユー・コリドー」と呼ばれる仮想線上には高層建築を建ててはいけないとする景観規制が敷かれている。

St Paul's Cathedral

体験記

登り出して最初の目的地となるのが地上30メートル地点(ここまでで257 段登ることになります)。この場所は反響が非常に良く、囁き声でさえも回廊の反対側まで聞こえてしまうそうです。また大聖堂の内部を見降ろすことができる最も高い地点でもあり、祭壇を真下に見下ろす景色は圧巻でした。ここから上へと119段登ると、外部に開けた「ストーン・ギャラリー」へ。地上53.4メートルのこの地点でも既に十分過ぎるくらい見晴らしは良いです。でもここまで来たらせっかくなので、もうひと頑張りしてさらに152段登ると、いよいよゴールデン・ギャラリーへと到着。ここが一般観覧者にとっての頂上になります。少し汗ばんだ身体に受ける高所の風が気持ち良かった!

St Paul's Cathedral
St Paul's Churchyard, London EC4M 8AD
St. Paul's駅
020 7246 8357
月~土 8:30-16:30
£18(学生・シニア£16、6~17歳£8)
www.stpauls.co.uk

乗り物を使って登る

運動不足だったり、足腰に不安を抱えていたりする人だって、高所からの眺めを堪能したい。ロンドンには、エレベーターやその他の乗り物を利用して登ることができる高所ポイントがいくつもある。

ロンドン随一の観光名所
London Eye ロンドン・アイ

● 高さ: 135メートル

London Eye

ビッグ・ベンの対岸に位置する大観覧車、ロンドン・アイ。1999年の開業後にロンドン名物となった。通常の乗車チケットに加えて、上空で5種類の高級ワインを嗜むことができるワイン・テイスティングや、高級チョコレートを味わえるチケットも販売している。

London Eye
Riverside Building, County Hall, Westminster Bridge Road, London SE1 7PB
Waterloo / Westminster駅
0871 781 3000
10:00-20:30(季節によって営業時間は異なる。詳細は上記ウェブサイトを参照。)
スタンダード・チケット £24.95(4~15歳£15.75、4歳未満無料)
www.londoneye.com

買い物してシティを一望
One New Change ワン・ニュー・チェンジ

● 高さ: 34メートル

One New Change

セント・ポール大聖堂やモニュメントを登るのはちょっときつい、という人にとって気軽にシティの眺めを得られるのがこのショッピング・モール。同大聖堂と正対するように設置されたエレベーターを使って屋上まで出ると、シティの眺めを一望できる。

One New Change
1 New Change London EC4M 9AF
St. Paul's駅
020 7002 8900
屋上のオープン時間 10:00-0:00
無料
www.onenewchange.com

東部の新たな観光スポット
Emirates Air Line エミレーツ・エア・ライン

● 高さ: 90メートル

Emirates Air Line

2012年のロンドン五輪でともに競技会場となったジ・オーツーとエクセルを結ぶケーブル・カー。テムズ河が大きく蛇行する様子がはっきりと分かる。週末ともなるとチケットを買う乗客の列ができるが、オイスター・カードを利用すればこの列に並ぶ必要もない。

Emirates Air Line
Greenwich Peninsula駅 / Royal Docks駅
0343 222 1234(ロンドン交通局)
夏期7:00-21:00 / 冬期7:00-20:00(夏・冬とも土は8:00、日は9:00から)
片道£4.50、オイスター・カード利用は£3.50(子供£2.30、同£1.70)
www.emiratesairline.co.uk

五輪跡地の見学もできる
ArcelorMittal Orbit アルセロールミッタル・オービット

● 高さ: 114.5メートル

ArcelorMittal Orbit

2012年に開催されたロンドン五輪のオリンピック・パーク内に建設された塔。現在、同パークは自然公園に変わり、タワーからは、地元のサッカー・チーム「ウェストハム・ユナイテッド」の本拠地となったオリンピック・スタジアムなどが一望できる。また、透明な筒の中を滑り降りる世界最長(178メートル)のスライダーや、ロープを使っての懸垂下降も楽しめる。

ArcelorMittal Orbit
Queen Elizabeth Olympic Park, London E20 2ST
Pudding Mill Lane駅よりバス
0333 8008 099
4月〜9月 10:00-18:00、10月〜3月 11:00-17:00
   (スライダーは通常開店時間から30分後にオープン)
£12(学生、シニア£10、3~16歳£6、ファミリー£32)
   ※スライダーと懸垂下降は別料金
http://arcelormittalorbit.com/

西欧で最も高い眺め
The Shard ザ・シャード

● 高さ: 310メートル

The Shard

ロンドンで人気の高所スポットと言えば、その展望台が2012年2月に開業したザ・シャード。秒速6メートルという高速エレベーターに乗れば、西欧で最も高い眺めを得ることができる。近未来を彷彿とさせる内装も一見の価値あり。

The Shard
32 London Bridge Street, London SE1 9SY
London Bridge駅
0844 499 7111
9:00-22:00
前売券£25.95(同4~15歳£19.95、3歳以下無料)
www.theviewfromtheshard.com

ザ・シャードと東京スカイツリーを比較
 ザ・シャード東京スカイツリー
高さ 310メートル 634メートル
階数 87階 29階
設計者 レンゾ・ピアノ 日建設計
建設費 4億5000万ポンド(約553億5000万円) 約400億円
入場料 24.95ポンド(約3000円) 3000円(展望回廊込み)
開業年 2013年2月 2012年5月
用途 オフィス、レストラン、ホテル、フラットなど 電波塔、オフィス、観光・商業施設など
デザイン 教会の尖塔や船のマストをイメージした
ピラミッド型
法隆寺の五重塔を参考にした日本の伝統美

高層ビルの最上階にあるオアシス
Sky Garden スカイ・ガーデン

● 高さ: 155メートル

Sky Garden スカイ・ガーデン

2014年に完成した高層ビル「20フェンチャーチ・ストリート」の最上階にある庭園。ロンドンでは最も高いところにある庭園とも言われ注目を集めた。カフェやレストラン、バーも併設され、ロンドンの街並みを一望しながら食事を楽しむこともできる。近くのタワー・ブリッジやロンドン・ブリッジ、ザ・シャードなど、大都市ロンドンが見渡せる。

Sky Garden
1 Sky Garden Walk, London EC3M 8AF
Monument駅
020 7337 2344
月〜金 10:00-18:00 / 土・日 11:00-21:00
無料・要予約
https://skygarden.london


 

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*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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