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Sun, 22 December 2024

ロンドンのおいしいと評判のお肉屋さん - クリスマス・ディナーの準備にも使える!

英国の大手スーパーで買ったお肉を食べても、味がいまいちだと感じた経験はないだろうか。昨年には牛肉加工品への馬肉混入事件が英国内で次々と発生。この国で、きちんとしたおいしい肉を食べるのは実はそう簡単なことではない。しかも、もうすぐ年の瀬。自宅で豪華な英国風のクリスマス・ディナーを楽しみたいという家庭もきっと多くあるはずだ。そこで今回は、ロンドン市民の間で信頼と人気を集めるお肉屋さんを紹介する。

5代目が経営する老舗中の老舗
C. Lidgate

  • C. Lidgate
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ロンドン西部ホランド・パーク駅を出て右に向かって歩き出すと、間もなく見えてくるお肉屋さん。150年の歴史を誇る老舗中の老舗で、現在33歳のダニーさんは5代目の経営者。イングランド中部コッツウォルズにあるチャールズ皇太子の私邸ハイグローブ内の農場を含む各所から厳選して肉を取り寄せている。店内に並べられているのは、ソーセージだけでも15種類前後。18世紀のレシピを使ったもの、アスパラガスとピスタチオ入りのもの、鹿肉を使ったものなど、まるでソーセージの博物館のよう。

物色していると、フレンドリーなスタッフたちが「遠慮せず試食品を食べてください」と言って微笑んでくれる。同店がお薦めするクリスマス・ディナーの食材は、王道のブロンズ・ターキー(約10.5~11キロ、約17人用で181.50ポンド)。ロンドン近郊エセックスの農場で放し飼い(フリー・レンジ)にして育てられた七面鳥をローストすることで出来上がる風味と食感は「宝物のよう」との評判。安価なものでは、パーティー用のパイがお薦め。値段は一人分で6ポンド前後、注文してから15分で用意してくれるというから、駆け込みの準備にも間に合う。

110 Holland Park Avenue, London W11 4UA
Holland Park駅から徒歩3分
☎ 020 7727 8243
営業時間:月~金 7:30-19:00、土 6:30-18:30
www.lidgates.com

高級住宅街にある行列ができるお肉屋さん
The Ginger Pig

  • The Ginger Pig
  • The Ginger Pig
  • The Ginger Pig
  • The Ginger Pig
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毎週日曜日に中心部の駐車場でファーマーズ・マーケットが開催される、高級住宅地マリルボーン。この駐車場の向かいに位置する精肉店「ザ・ジンジャー・ピッグ」は、週末ともなれば来店客が行列を成すほどの人気店だ。主にイングランド北部ノース・ヨークシャーに保有する3000エーカー(約12平方キロ)の農地から肉を供給する同店がクリスマス用に薦めてくれたのは、牛肉のリブロース(1キロ当たり22.5ポンド)。英国で一般的に「フォアリブ」と呼ばれるリブロースは、牛肉では最高級とされるサーロインのすぐ前の部分の肉で、ロースト料理に最適。

また小腹を満たすだけなら、1週間で900個が売れるというソーセージ・ロール(3.5ポンド)をどうぞ。見惚れてしまうほどにきめ細かいひき肉と、ほんのり漂うこしょうの香りを同時に味わえば、「ソーセージって、こんなにおいしいものだったんだ」と思わず感慨に浸ってしまうこと間違いなし。しかも、ランチならこれ一つでお腹いっぱいになってしまうほどの重量感。同店すぐ近くの小さな公園のベンチに座り、ソーセージ・ロールを頬張りながら過ごす週末なんていうのも悪くない。

8-10 Moxon Street, Marylebone, London W1U 4EW
Baker Street 駅から徒歩5分
☎ 020 7935 7788
営業時間:月~水 9:00-17:30、木・金 9:00-18:30、土 9:00-18:00、日10:00-15:00
www.thegingerpig.co.uk
*ロンドン各地に支店あり

閑静な住宅地にある3兄弟の店
Godfreys

  • Godfreys
  • Godfreys
  • Godfreys
  • Godfreys
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ロンドン北部のハイバリー・アンド・イズリントン駅から徒歩15分。閑静な住宅街の中にひっそりと立つその外観からは想像もつかないが、サボイやヒルトンといった超高級ホテルへと肉を供給している名店がこのゴッドフレイズだ。その名を店名に冠したフランク・ゴッドフレイ氏が1905年に創業。現在は同氏のひ孫に当たるゴッドフレイ家の3兄弟が経営している。

この店にクリスマス・ディナーのお薦めを尋ねると、「フリー・レンジ・ホール・スリー・バード・ロースト(5キロで137.59ポンド)」という聞き慣れない名称を教えてくれた。3兄弟の一人であるクリスさんによると、異なる3種の鳥肉を組み合わせた逸品。表面を覆っているのは肉付きの良いフリー・レンジのガチョウ。その内側に最高級の鶏肉として知られる去勢鶏が丸ごと一つ。またさらにその内側にキジ肉が入っていて、それぞれの肉の間はアプリコットとセージ葉で仕切られている。ローストすれば、カリッとした表面と重なり合う肉の旨みを存分に堪能できるのだという。廉価なものでは、1905年の創業時から変わらず、水や化学調味料を加えずにつくり続けているという各種ベーコンが人気だ。

7 Highbury Park, Islington, London N5 1QJ
Highbury Islington駅から徒歩15分
☎ 020 7226 2425
営業時間:月~土 8:00-18:00
www.godfreys.co
*Finsbury Parkにも支店あり

5ツ星ホテルと同じ肉が食べられる
Allens of Mayfair

  • Allens of Mayfair
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  • Allens of Mayfair
  • Allens of Mayfair
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豪奢な建物が並ぶロンドン中心部メイフェア地区で、窓際に大きな肉の塊を吊るしたお肉屋さんを見かけたことがある人は多いのではないだろうか。ヴィクトリア様式の建物の入り口付近に敷き詰められたモザイク・タイル。主役は人間ではなく肉であると言わんばかりに、店のど真ん中で堂々と肉を切り分ける職人たち。そんな風景から、コノート、クラリッジズ、ドーチェスター、バークレーといったロンドンの5ツ星ホテルへと肉を提供するこの店の矜持と、創業120年の歴史が感じられる。

クリスマス・ディナーには、ブロンズ・ターキー(1キロ当たり11.50ポンド)を薦めてくれた。ロンドン近郊ケント州にある農場で食肉処理まで遂行。育成した場所で食肉処理を行うのは英国では非常に珍しく、上質な肉を生産するために、フード・マイルを短縮し、かつ七面鳥へストレスを与えることを避けるのが目的だという。ハーブを添えて、クランベリー・ソースと一緒にいただくのが美味。また食べやすいよう背骨が切り取られたジューシーなラム・ラック(1キロ当たり38ポンド)は、フライパンで軽く色を付けるように焼いてからローストするのがコツなのだとか。

117 Mount Street, Mayfair London W1K 3LA
Green Park/Bond Street駅から徒歩10分
☎ 020 7499 5831
営業時間:月~金 8:00-18:00、土 8:00-17:00
www.allensofmayfair.co.uk

若きエネルギーに満ちたお肉屋さん
Provenance

  • Provenance
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家畜という言葉が、緑に彩られた田園風景の中で育てられる動物を意味していたのは今は昔。大手スーパーマーケットなどに流通しているブロイラーなどは、暗い室内でまともに歩行さえできないままに育てられているという。そんな状況に苛立ちを覚え、「ロンドンには良質の肉を提供する店が少ない」と感じていた農業大国ニュージーランド出身の若者たちが一念発起。「フリー・レンジ」と「草を飼料として育てられた」という2つの条件を満たした肉を扱うことをコンセプトとして、2013年にこの店を創業した。肉屋というと、どうしても昔のなじみで通う主婦たちが利用するイメージがあるが、同店にはノッティング・ヒル地区に住むたくさんの若者たちが訪れる。

クリスマス・ディナー用の肉の注文にはオンライン予約が必須で、ロースト料理には七面鳥に加えてガチョウがお薦めとは同店のマネージャーを務めるトムさんの弁。牛の腰部の一番おいしい部分を切り取ったサーロイン、またはあばら肉の最も柔らかい部分であるリブアイを繊維に対して直角に切ったステーキ(ともに1キロ当たり31.99ポンド)が、一年を通じての売れ筋商品となっている。

33 Kensington Park Road, London W11 2EU
Ladbroke Grove駅から徒歩5分
☎ 020 7229 8814
営業時間:月~土 8:00-19:00、日 10:00-16:00
www.provenancebutcher.com

 

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