近代議会制度発祥の地として知られる英国。その長い伝統を受け継ぎながら、現代の英国政治の舵取りを行うのがブレア内閣メンバーの面々だ。今回の特集では、内閣閣僚の中から選りすぐりの11名を選出。個性豊かな彼らの横顔を追いながら、国会中継の楽しみ方もご紹介する。議会政治の本場英国で、政治を深く楽しく勉強しよう。 |
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強力なリーダーシップで急進的な改革を遂行したため党内に多くの敵を作ったが、それでも彼はへこたれない。名門オックスフォード大学で過ごした学生時代は「Ugly Rumor(醜い噂)」という名のロック・バンドを組んで歌い叫んでいたという彼。50歳を過ぎた今でも、心の中はロックが教えた反抗心と純粋な思いで溢れているのだ。
ブレアがまだ新米議員だった頃、先輩として指導を重ねていたらメキメキと力をつけてブレアにキャリアを追い越されてしまった。この時ブレアは、後にブラウンに首相の座を譲るという「密約」を交わしたと噂されており、そのブレアが今季限りで退任する考えを露わにしていることから2人の一挙手一投足が注目されているが、なんか揉めそうな臭いがプンプン。結局ブラウンは、ブレアの輝かしい功績とキャラに隠れてしまった影の男として歴史に名を刻むような気がする。そんな「縁の下の力持ち」みたいな役割がよく似合う男だ。
首相への質疑応答は通常「首相、本日の業務はどのようなものですか」という問いかけを意味する「第1の質問です、議長」という一言で始まる。これに対して首相は「今朝は閣僚たちとミーティングを行いました。国会での質疑応答の後、またさらなるミーティングを行う予定です」と答えるのが慣例となっている。これは通常の国会の質疑応答では「議題となる最初の質問に関連する質問のみ許される」というルールがあるため。最初に「首相の業務」について質問し本題と設定することで、続いて質問する側にとってはあらゆる分野について首相を問いただすことが可能になるのだ。穏やかに見える会話のやりとりだが、実は後の壮絶な舌戦へと導くための伏線を張ったゴングの合図になっている。
質問者は3日前までに規定用紙に名前を記入し、投票箱に提出しなければならないことになっているが、当日の飛び込み質問も許される。このため議長からの指名を得ようと、各質問の合間には平議員たちがあちらこちらで起立してアピールしている。テレビなどで見ると絶えず立ったり座ったりしている人たちを見かけるのはそのせい。ちなみに、これら平議員が首相への質問の機会を与えられるのは年に1回あるかないか。野党第一党の保守党党首は1つのセッションにつき6回、第二党の自民党党首は2回まで質問する権利が認められている。
質問者が首相に対して質問の内容を予告することはほとんどない。つまり、首相には矢継ぎ早に投げかけられる様々な分野の質問に対して間髪入れずに答えるという、神業的な能力が要求される。当然、周到な準備を行う必要があり、「鉄の女」として有名だったマーガレット・サッチャー元首相は話し合われるであろうテーマの予習のために毎週8時間を費やしたといわれる。ブレア首相を見ても細かく付箋が貼られた分厚い資料を手元に置いて、具体的な数字データを挙げながら見事に回答していくのがわかるはず。
首相や質問者の発言に対して、周りの議員らはブーイング、喝采などで議場を盛り立てる。発言者が織り交ぜるユーモアに対して笑いが起きることもしばしば。またよく観察すると私語に興じていたり眠っている議員もいる。 |
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Tue, 19 November 2024
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