最高級の神戸牛を堪能できる
TOKYO SUKIYAKI-TEI TOKYOすき焼き亭
7 May 2015 vol.1434
霜降りがたっぷりと入った神戸牛
今、英国の食通の間で話題になっているのが和牛。欧州連合(EU)加盟国向けの輸出が昨年6月に解禁されて以来、英各紙のグルメ欄は、日本が誇る美味・和牛についてしきりに取り上げている。とりわけ注目を集めているのが、日本三大和牛の一つである神戸牛だ。
実は、ロンドンのレストランや肉屋では、輸出解禁以前から「和牛」または「神戸牛」なる肉が出回っていた。ただ、それらの多くは日本とは大きく異なる品質管理を行うニュージーランド産などの「和牛種」。全く別種の肉を「神戸牛」と銘打って販売している店も決して少なくなかった。そんな状況を打開すべく、EU輸出解禁をきっかけに、神戸牛の正規取扱店としてロンドンに開店したのが、この「TOKYOすき焼き亭」だ。
店の入り口にはいくつもの植木鉢が置かれている
サウス・ケンジントン駅から徒歩10分。日本でも人気のレストラン経営者、テレンス・コンランがプロデュースした「ビバンダム」を始めとする名店が並ぶ一等地の中心に、ハイビスカスやヒヤシンスなどを咲かせた植木鉢が並ぶ一画がある。短い階段を上るとその素朴で平和的な光景は一転。帽子型の照明、ハートの形をした鏡、深紅と群青に彩られた椅子で構成された妖艶な異空間へと入り込む。
現代アート空間のような店内
だし巻き卵やしめ鯖などの前菜を終えてからすき焼きを注文すると、テーブル上に大きな鉄鍋が登場し、この店が本格派のすき焼き・しゃぶしゃぶ店であることを再認識。鍋に点火しただけで、食欲を強く刺激する割下の甘い匂いがふわりと漂い出す。
やはりこの店に来たからには、最高級であることを意味するA5等級の神戸牛(1人前78.50ポンド)を味わいたい。運ばれてきた肉に箸をつける前に、雪の結晶のように降り注ぐ霜降りに見惚れてしまう。表面の色がほんのり変わる程度に肉を煮たら、オレンジ色に輝くオーガニックの生卵に浸して一口。思わず腰が砕けてしまいそうになるほど、甘くまろやかで優しい味わいが口の中に広がる。
神戸牛の正規取扱店であることを示す指定証(右)とブロンズ像(左)
神戸牛の後にスコットランド名産のアンガス牛(同26.50ポンド)を食べると、より獣らしい猛々しさにあふれた食感と風味を持っていることに気付く。エノキや厚みたっぷりのシイタケ、豆腐といったおなじみの食材に加えて、ケールなど英国産の旬の素材をそろえた野菜も絶妙な引き立て役を果たしている。
すき焼き・しゃぶしゃぶ用メニューには、そのほかにも鹿児島産の和牛やチキンのフィレ、豚肉、エビ・ホタテなどが並び、またランチでは神戸牛と自家製パンを組み合わせたサンドイッチも用意している。常時混雑しているので、ディナーは要予約。
これほどの幸福感に満ちた食事ができる場所は、ロンドン広しと言えど、そう多くないだろう。
店名 | TOKYO SUKIYAKI-TEI | |
住所 | 85 Sloane Avenue, Chelsea Cloisters, London SW3 3DX | |
電話番号 | 020 3583 3797 / 020 7581 1539 | |
営業時間 | 月~土 12:00-23:30 日 13:00-22:00 |
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最寄り駅 | South Kensington駅 | |
web | www.tokyosukiyakitei.com |
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