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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

米当局によるインターネット上の個人情報収集


The Daily Telegraph
情報公開と能力の維持は別問題

英政府通信本部(GCHQ)の活動内容は公正なものであるからともかく国民は安心して良い、と外相が答えれば済んだ時代もあったかもしれないが、現代ではそんな回答は通用しない。一方で、治安機関側が業務に支障が生じるほど厳しく管理されていると訴えている状況で、彼らの活動を制限し過ぎるのは得策ではないというのも一理ある。一つの解決策は、MI5やMI6などの情報機関と同様にGCHQの活動内容を一部公開することである。そのことによって彼らの能力まで制限されるわけではないのだから。(6月11日)


The Guardian
告発者はある意味で公僕

立法と司法が機能しない状況下では、告発という行為が公的な説明責任に通じる唯一の道となる。そして告発者たちは個人的な利益を得るためにではなく、それどころか自身の自由を犠牲にしてまで告発に踏み切る。つまり、公益をもたらすことのためだけに行動するという意味においては、彼ら告発者は言わば公僕なのだ。英国においては、米国家安全保障局(NSA)が得た情報にGCHQがどのようにアクセスをしていたかについて国会答弁できちんとした説明が行われるべきである。(6月9日)


Independent
バランスを取ることが大切

確かに我々は今、危険に満ち溢れた世界で暮らしている。ロンドン東部ウーリッチでの殺人事件やボストンでのテロが発生したばかりの状況では、そうした見方を否定するのは難しいだろう。だから、治安維持のために一定のプライバシーが犠牲にされてしまうことがあるというのも分かる。だが治安維持とプライバシー保護は二者択一の問題ではなく、両者のバランスが取られて然るべきなのだ。米国で告発された事例はそのバランスが偏っていることを示唆している。(6月10日)

 
 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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