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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

アフガニスタンからの英軍撤退


The TimesTHE TIMES
軍事的な解決法はない

There is no military solution

アフガニスタンがテロの温床となることを防ぐために英軍を派遣する、との当初の大義は理にかなったものであった。しかし、この大義が同国の「国家再建」や「西洋の価値観の導入」といったものに代わってからおかしくなり始めたのである。確かにタリバンの女性差別はひどいものだが、それらの問題に軍事的な解決法などない。受け入れがたいであろうが、タリバンと対話を持つことこそが解決策となる。そして対話が英軍の撤退を早め、ひいては英兵の若き命を守ることにつながるのだ。(3月11日)


The GuardianThe guardian
私たちは本当に正しいのか

Should we be keeping our nerve?

オバマ米大統領は、治安の維持に必要なタリバンの司令官を次々と暗殺し、汚職にまみれたアフガニスタン政権を支持することで、タリバンを延命させる原因を作った。クリントン米国務長官は、タリバンに対してアフガニスタンの憲法に従うよう訴えている。そのタリバンの最高指導者であるムハンマド・オマル氏は、同憲法に、彼がアフガニスタンの最高権力者であると明記することを求めている。私たちは本当に正しいのか。それとも我々の判断力を一度疑ってみるべきなのだろうか。(3月11日)


The IndependentThe Independent
もうたくさんだ

Enough is enough

「アフガニスタンが過激派の温床となることを防ぐ」という、英軍の派遣に至った当初の目的は既に達成した。今や逆に、外国軍がアフガニスタンに駐留しているとの事実こそがタリバンの結束を固めている。アフガニスタンから撤退するための条件が完璧に整うことなどあり得ない。とうの昔に、駐留を続けることで得られる利益よりも、その代償の方が大きくなってしまったのだ。2010年11月に本紙が英軍の完全撤退を求めて以来、61名の英国人兵の命が失われた。もうたくさんだ。(3月11日)


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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