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Mon, 06 May 2024

育自の時間。親と子を育てる英国の学校

2002年に画家の夫とともに当時7歳の息子を連れてイングランド南西部コッツウォルズ郊外に移住。現地の小学校から大学受験までを実体験した母親の目から英国教育を見つめます。


政治家による児童虐待疑惑

The Daily Telegraph
「デーリー・テレグラフ」紙 7月8日

必要なのは調査よりも実行

英国の秘密情報部は、異なる国で発生した暴動の関連性を見つけ、競合するテロ集団同士の関係を分析し、聖戦士となった英国人の生い立ちを追わなければならない。そのためには、より多くの諜報員を現場に、しかもしばしば無法地帯に配置することが必然となる。同情報部はこれまで多くの戦線においてその素晴らしい専門技能を披露しており、英国は彼らの活動を誇りに思うべきだ。だがその評判を保つためには、現場で活動する諜報員を軽視してはならない。


The Guardian
「ガーディアン」紙 7月6日

政治家には自己防衛の習性

現在のところ、被害者の正体は公的には明らかになっていない。その理由は、そもそも被害者が存在しないからなのかもしれない。英国の政界は、わずかな事実に基づいて陰謀の闇をつくり上げることには慣れているからだ。一方で、英国の政治家たちは自己防衛を計ろうとする習性も持つ。もし疑惑が事実であると判明すれば、児童保護の失敗例を改めて世に示すことになる。その際には、なぜ失敗するに至ったかを明らかにすることがより重要になるであろう。


The Independent
「インディペンデント」紙 7月6日

事件発覚は健全な民主主義の証

政治家による児童虐待疑惑については厳格に取り組むべきである。恐らく一つの悪徳組織による犯行ではなく、いくつもの異なる不祥事が入り混じっているはずだ。過去数十年の間に、国会議員の経費問題や、BBCを揺るがした故ジミー・サヴィル氏による児童性的虐待などの驚くべき事件が相次いで明るみになったため、我々は感覚を麻痺させてしまった。だが、こうした事件の発覚は健全で活力のある民主主義の証であり、信頼を取り戻すための第一歩なのである。


 
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小野まり小野まり NPO法人ナショナル・トラストサポートセンター代表。2002年、画家で夫の小野たくまさ氏とともに当時7歳の一人息子を連れコッツウォルズ郊外へ移住。現地の小・中・高等学校、大学受験を母親の立場として体験。教育関連の連載エッセイやナショナル・トラスト関連の著書多数。最新刊に「図説 英国ナショナル・トラスト (河出書房新社)」がある。
英国王室流教育の極意: エリザベス女王からジョージ王子まで(河出書房新社)英国王室流教育の極意ビクトリア女王からジョージ王子まで、英国王室の子育てや教育を語る一冊。憧れのプリンス、プリンセスが受けた教育とは? 英国のパブリック・スクールや筆者が体験した公立校の教育システム及びその現状が網羅されている。
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