アプトン・ハウス&ガーデンズ - Upton House & Gardens
~知られざる石油王シェル一族の館~
ウォルター・サミュエル、名前だけでは全くピンときませんが、「シェル石油」といえば知らない人はまずいないでしょう。そのシェル石油の創設者マーカス・サミュエルの息子がこのアプトン・ハウスの元オーナー、ウォルターです。
1695年に建造されたアプトン・ハウスは、1927年にウォルターによって買い取られ、1948年にナショナル・トラストへ寄贈されました。その間に集められた美術品の数々は国宝に匹敵するほどレベルの高い作品ばかりです。絵画コレクションの2点がパリのルーブル美術館へ、その他のいくつかの絵画はロンドンのテート美術館へ現在も貸し出されています。
エル・グレコをはじめとする宗教絵画、タペストリー、磁器などの美術コレクションで館内はまるで美術館さながら。さらに興味深いところでは、シェル石油創設以来のポスターを展示している部屋もあります。また、美術品に限らず、石油王であった一族の優雅な暮らし振りも再現されています。なかでもウォルター夫人によってつくられたアールデコ調のバスルームなど、その華やかさは美術品に負けていません。
そして是非とも観てほしいのが、ここのガーデンです。一見すると、コッツウォルズのなだらかな丘陵地が深い谷間を挟んでただ広がっているように見えるのですが、谷に挑むように歩いていくと谷底には下の作品に描いたようなガーデンが広がっているのです。ここのガーデンにはナショナル・コレクションに指定されているアスターも植えられています。
ウォルターがあつらえたこのガーデンは、彼とその一族が蒐集した世界レベルの美術品と同様に、至福の時間を私たちに与えてくれます。
(文責・小野まり)
Address | nr Banbury, Warwickshire OX15 6HT |
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Tel | 01295 670 266 |
Access | Stratford-upon-Avonの南東約20キロ、A422沿い。M40を出口12で降りると標識あり。 |
Open Hour | 3月上旬~10月末までの木・金曜を除く毎日。11月~12月中旬は週末のみ。 |
Website | 詳細は www.nationaltrust.org.uk |
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