第3回 無料でハグを提供する若おじさん
スチュアート・マケルウェイン
Stuart McElwaine
Free Hug UK代表、ファンド・アナリスト
1980年生まれ、29歳
グラスゴー出身/ロンドン在住
ハイド・パークの一角にある、自由な言論の機会を求める演説者たちが集うスピーカーズ・コーナーに、「フリー・ハグ」と書かれた何やら怪しげな看板を掲げる人がいる。「無料のハグ(抱擁)」とは、一体何を意味するのか。「Free Hug UK」代表者のスチュアートさんに話を伺った。
街行く人を抱擁するスチュアートさん
「フリー・ハグ」の活動を始めたきっかけは何ですか。
昨年の冬に「Free Hug UK」の創立者に誘われたことだね。ハグとは万国共通の愛情表現だし、いくらハグしても、し過ぎるってことはないんじゃないかな。「別にハグなんかしなくても生きていける」という人でも、実際にハグされてみるとうれしさを感じたりするものだし。だからもっとたくさんの人にハグをして欲しいし、そして受け取って欲しいと思っているんだ。
具体的にはどのような活動を行っているのですか。
スピーカーズ・コーナーで「Free Hug」と書かれた看板を持って、「フリー・ハグはいかがですか」って叫んだり、聞き回ったりしているよ。そして興味を持ってくれた人には、優しくハグをする。個人に応じてハグをするから、一瞬で終わらせることもあれば、もっと長くするときもあるけど。
実際にハグを交わした人には、最後に「Free Hug UK」の連絡先が書かれた名刺を渡す。その後ハグをしている写真を送ってもらえれば、僕たちが運営するウェブサイトに掲載できるからね。
これまでどれくらいの人数をハグしたことがありますか。
よく聞かれる質問だけど、毎回数えているわけではないから、はっきりとは分からないんだよね。名前は出せないけれど、有名人らしき人物をハグしたことも。でも回数よりも、質にこだわりたいな。
ハグを受ける側の人の反応はどうですか。
フリー・ハグを敬遠する人も当然いるだろうから、やはりすべての人に理解を求めるのは難しいかもね。でもだからといって、この活動を止めようとは思わない。もしかしたら、「フリー・ハグ」と書かれた看板を掲げた僕らの滑稽な姿を見ているだけで、楽しくなったり、笑顔になったりする人がいるかもしれないでしょ。それだけでも続ける意味はあると思うんだ。
フリー・ハグに対して、ご両親の反応はどうでしたか。
大賛成だよ!僕の両親はね、なぜか僕がこれまで彼らと嫌々ハグしていたと思っていたらしくて、フリー・ハグ活動を行う僕の姿を見て最初はとても驚いていたんだ。スピーカーズ・コーナーに応援に来てくれたこともある程、今では喜んでくれているよ。
奇麗な女性とハグしたら、やはり格別なうれしさを感じるのでしょうか。
もちろん、奇麗な女性とハグができたらうれしいよ。でもだからと言って、それだけが目的ではないことは確かだよ!
(取材・執筆: 高橋百合子)
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