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Sat, 14 December 2019

第10回 宇宙船に住むおじさん

トニー・アレイン
Tony Alleyne

インテリア・デザイナー
1953年生まれ、56歳
英国リーズ出身 / レスターシャー在住

幼いころに観たSF映画に影響を受け、自宅であるフラットの一室を、まるごと宇宙船の船内に改造してしまったおじさんがいる。すべて独学で、そしてたった1人で、ハイテク機能を備えたインテリアを完成。「夢を持ち続けていれば、いつか必ず実現できる」、そう言い切るトニーさんに話を伺った。

タッチ・パネルや指令台を備えたトランスポーター・ルーム
タッチ・パネルや指令台を備えたトランスポーター・ルーム

部屋を宇宙船に改造しようと思ったきっかけは何ですか。

幼いころに、英国人作家ハーバート・ジョージ・ウェルズの小説が原作の「月世界最初の人間」というSF映画を観たんだ。少年だった私は、その中のあるセリフに感動して、それからSFにハマってしまった。ジョセフ・ケイヴァーという登場人物が、何年もかけてようやく完成させた宇宙船の中に入って、内部を見渡してから言うんだ、「これは私の小さな王国だ」ってね。その時、そんな瞬間を自分の人生で迎えられたら、どんなに素晴らしいだろうって思って……。そう思い続けていたら、やがてチャンスが訪れて、夢を実現することができたんだ。

参考にした宇宙船のデザインを教えてください。

この家は、米国のSF番組「スタートレック」に出てくる宇宙船「Voyager」のレプリカ。この番組がテレビで放映され始めたとき、物語の展開や演技はもちろん、全く違うバックグラウンドを持つ登場人物たちが1つの目標を目指すというストーリーに、とても魅了されたんだ。

お1人で改造されたんですか。

ああ、元々は普通のワン・ルームのフラットだったんだけど、1人で改造したよ。

家には窓が見当たりませんが。

2007年に大掛かりな改装をする前までは、窓が1つあったんだ。光を遮断するために「プレキシグラス」というアクリル樹脂を窓ガラス替わりに使用していたんだけど、それでも日光が入るから、見た目に納得がいかなくて……。結局、黒く塗りつぶしたら、より宇宙船らしい外観になった。

ご家族は、この家についてどう思っているのでしょうか。

家族はみんな、私が宇宙船を造りあげたことを誇りに思ってくれているよ。母はデザインを気に入っているけど、日光や伝統的な家の住み心地が好きだから、同じような環境では暮らせない、とは言っていたね。

改造中、何か苦労されたことはありましたか。

どんな作業も楽しかったし、最終的な出来栄えにとても満足している。伝統的なものを、自分が夢に描いていたものに作り変えることは、本当に幸福な作業だったよ。

読者の方にメッセージをお願いします。

これまで家を改造するにあたって、人から教わったことも、どこかで訓練したこともない。子どものころから持ち続けてきた夢と情熱だけで、ここまできたんだ。たいていの場合、それさえあれば幸せになれるはずだよ。夢は持ち続けていれば、叶えることができる、ってことさ。


(取材・執筆: 大西奈津美)

 
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