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Mon, 25 November 2024

「The Financial Times」紙って、
一体どんな新聞なの? - 小林恭子

一部地域のTier4申請条件に「面接」が追加

5月10日付の本コラム内でご紹介しましたが、内務省は昨年から、学生ビザ(Tier4)の悪用をこれまで以上に厳しく取り締まる目的で、世界各地で実験的にある計画を実施してきました。その計画とは、学生ビザの申請者を対象とし、英語力や渡英目的の真意を問う面接を行うことです。

申請者の「実際の」英語力や渡英目的を見極めるために実施されたこの面接は、インド、中国、パキスタン、カナダといった国々の計13カ所で、2300人以上の申請者を対象に行われました。そしてその結果、実にその17%の申請者が、不正の可能性ありとして申請を却下されたのです。

そしてこの結果を受け、内務省は先月9日、同面接を本格的に実施していくと発表しました。計画はこの夏から実施され、以降12カ月の間に最高で1万4000人の申請者に面接が課される見込みです。

発表によると、現時点では、学生ビザの悪用という点において「ハイリスク」とされているインドやパキスタンといった国々においてのみ、この面接が行われるとされています。しかし、カナダなど通常「ローリスク」と分類されている国々でも試験的に実施されたことを鑑みれば、同じく「ローリスク」とされている日本にもいつ火の粉が降りかからないとも限りません。

面接では、申請条件とされている「英語力」に加え、「真剣に学業に従事するつもりなのか」「これまで受けてきた教育との関連性」など渡航理由について英語で詳細に問われます。この際、通訳が必要な場合は無論、またこれに流暢に受け答えできない場合、また渡航理由に不審な点がみられる場合には、申請を棄却される可能性があります。

ダミアン・グリーン移民担当閣外相は、この計画について以下のように述べました。
「現行の制度では、申請者の意図が疑わしい場合でも、英国国境局職員が申請を却下できないケースがあります。制度をもっと厳格化することで、本当に優秀な学生だけが、英国の卓越した教育部門において益を得られるように計らいたいと考えます。
英国は、優秀な移民には開かれた国です。しかし、もし誰かが虚偽の申請を行ったり、真の渡英目的を隠ぺいしたりした場合、その行為は露見し、申請は棄却されるでしょう」

そもそもTier4の申請は、詳細にわたる記述を要求される申請書に加え、受け入れ側のスポンサー証明、英語力、そして経済状況の証明など、その手続きは煩雑を極めます。
また、学生ビザ悪用の取り締まりが一段と厳格化し、不当な目的で申請している可能性が認められた者にはいつ面接が行われてもおかしくない、といった状況下では、提出書類に不備がないか、不要な記入漏れがないか、また拙い表現によって図らずも無気力な印象を与えてしまわないかといった点に注意しながら、慎重に手続きを進める必要があります。

政府の移民政策が本格化し、欧州経済領域(EEA)以外の出身者に対する締め付けがますます厳しくなってきている今、専門家と二人三脚で着実に手続きを進めることがこれまで以上に重要になっています。せっかくの渡英の機会をふいにしないために、そして英国滞在の一歩を気持ちよく踏み出すために、専門家のアドバイスに耳を傾け、申請には万全を期すことをお勧めします。

 

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi
フィナンシャル・タイムズの実力在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社) など。

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