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Sun, 22 December 2024

在欧企業・ビジネスを支援する投資会社
エバーグリーン・キャピタル代表取締役社長
岩崎博寿 (いわさきひろひさ) 氏 インタビュー

エバーグリーン・キャピタル代表取締役社長 岩崎博寿氏「投資会社」と聞くと、グローバル企業によるベンチャー企業の買収などの事例をまず思い浮かべるかもしれない。
しかしながら、中小企業の経営者がリタイアするために会社を売却したり、従業員が自身の勤めている会社を買い取ったりする際の支援、さらには起業を計画する若者への出資などを行う投資会社も世の中には存在する。
こうした地に足の着いた案件を扱う投資会社の一つが、エバーグリーン・キャピタルだ。同社の代表取締役を務める岩崎氏に話をうかがった。
www.evergreen-capital.com


投資会社経営に至るまでの経緯を教えてください。

日本の大学を卒業後、イングランド中部オックスフォードに1年間留学しました。そのまま英国に留まり、「Blue Fountain Systems」というロンドンのIT会社に、2カ月間のアルバイトを経て入社。同社で12年間働いた中、最後の8年間は社長を務めました。そして、2010年にマネジメント・バイアウト(MBO)でこの会社を買い取ったのが、最初の企業買収になります。後にベルギーの日本食スーパー、レストラン、別のIT会社や不動産と買収を続け、5年間で合計6社に出資または買収を行いました。

最も印象に残っている買収案件は、最初に手掛けたIT会社ですね。それまでの雇われ社長の身から、会社のオーナーとなり、すべての責任を取らなければならないプレッシャーの中での独立でしたので。買収後は、事業計画の見直し、マーケティングによる売り上げアップ、粗利やコストについてなど、100以上の改善を行い、最終利益を2年で5倍に増やすことに成功しました。この成功の経験と利益をベースに、6社への出資または買収を続けることができました。

どのような買収案件を検討の対象としていますか。

一つは、リタイアされたい方、一旦会社を売却して創業者利益を確定されたい方、ノンコア・ビジネスのみを売却してコア・ビジネスに資金や人材を投資されたい方、ほかのビジネスに投資されたい方など、色々な理由で、会社やビジネスのすべてまたは一部を売却したい場合です。

次に、私が5年前に行ったような、従業員や役員が、働いている会社をオーナーから買い取るMBOです。MBOへの資金だけでなく、オーナーとの交渉、弁護士や税理士との打ち合わせ、売買契約書の作成などを一緒に行っていきます。

あとは、ビジネスがキャッシュ不足になった場合の、出資という形での資金の提供や、共同経営者としての出資です。最近では、起業家によるスタートアップへの出資も考えています。若い起業家のお手伝いができればいいですね。いずれにしても、資金を提供するだけではなく、経営にも参加して、売り上げと利益を一緒に伸ばし、WIN-WINの関係を作ることが大切だと考えています。

買収案件は秘密裏に進めるのでしょうか。

必ず秘密保持契約書を取り交わします。そして、最終的に売買が成立するまでは、従業員や取引先に情報が漏れないように、細心の注意を払うことが求められます。また売買が成立した後、関係者にどのタイミングでどのようなメッセージを誰が伝えるかなども、契約前から周到に準備しなければいけません。この辺りも、弊社の過去の経験を元に一緒に行っていきます。

経営において最も大切にしていることは何ですか。

一つは、目の前で次から次へと起こる問題から一歩も二歩も下がって、常にそのビジネスの5年後または10年後のあるべき姿を考えながら、会社をコントロールするということ。放っておくとどうしても目の前の作業に流されてしまいます。

もう一つは、「銃ではなく弾を売る」。高い銃を売って一日限りの大きな利益を上げることよりも、小さく長期にわたって買い続けてもらえる弾をいかに売るかを考える。これが経営の肝だと思います。

 

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