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Mon, 09 December 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

英国企業の非居住取締役

英国企業である当社はこのほど取締役を任命しましたが、この取締役は通常は日本に住み、年に数回、英国を訪問するだけです。英国の税務に影響はないと思いますが。

そうでもありません。英国企業の「非居住取締役」(NRD)という在職者ですので、英国での役割に関して受け取る収入は英国での所得として処理すべきですし、英国の源泉徴収(PAYE)の対象となります。

このNRDは取締役会に出席するため、英国には1日か2日来るだけです。日英租税条約があると聞いていますので、課税対象にはならないのではないですか。その取締役は日本で納税しています。

そのNRDが、たとえば英国の取締役会への出席のように、たとえ1日だけ働く場合でも、英国での取締役の任務に関する報酬は英国の課税対象となります。日英租税条約は、企業の通常の従業員とは異なり、NRDが英国で働く場合には英国の課税を免除されません。ただもちろん、英国でのNRDの任務に対する報酬が英国企業または日本企業から支払われない場合には、英国での納税義務はありません。

英国企業がNRDに支払う旅費や宿泊費はどうなりますか。

検討すべき重要な問題は、英国でのNRDの仕事場が一時的なものと見なされるか恒久的なものと見なされるかという点です。税控除は、通常ではNRDが一時的な仕事場への出勤に必要な費用にだけ適用されます。航空券などの旅費は、異なる法規により免除される可能性があります。このため費用が実際に課税対象となる場合には、英国企業はそれを歳入関税庁(HMRC)に正確に申告する必要があります。大部分の場合は、P11Dのフォームでの提出となります。

その費用が実際に英国で課税される場合には、英国企業がNRDのために英国での納税を決めることはできますか。

はい。英国企業は、PA YE清算契約(PSA)によりNRDに代わり費用に対する租税を清算できます。つまり企業は、課税対象のベネフィットをグロスアップ計算し、HMRCとの直接清算により英国での納税義務に従います。

NRDは、英国の納税申告書を提出する必要があるのですか。

はい。NRDが英国で働いて取締役の任務を果たす場合は、ほとんどが英国の納税申告の対象となります。申告期限は課税年度末の次の1月31日です。申告書を期限後に提出すると、課税が生じない場合でも提出遅延の罰金が発生します。

現在の歳入関税庁(HMRC)の見解はどんなものでしょう。また、HMRCがNRDに対する当社の税務上の立場に同意しない場合はどうなりますか。

こうした取締役に対する雇用主と被雇用者の税務コンプライアンスについて、HMRCは常に詳しく調べています。HMRCは、雇用主の記録についてコンプライアンスの検査をする時に、常にNRDの課税の問題も調べます。HMRCは、カンパニーハウス(企業登記局)やその企業の財務諸表などさまざまな情報源から情報を取得しようとします。企業が正確な英国の源泉徴収税を正しく適用しなければ、納税義務の支払い不足やHMRCの利息と罰金が発生する可能性があります。不正確な申告が数年間続けば、これが大きな金額になる場合もあり、このため英国企業は、こうしたNRDが英国で実際に働く頻度が低いかどうかに関わらず、NRDの英国における税務上の立場を検討することが重要です。

チー・ラム チー・ラム
税務・ダイレクター
DeloitteとPwCに15年以上勤務し、駐在員税務に関するアドバイスを多くの多国籍企業に提供。英国税務のコンプライアンス、HMRCへの対応、渡英前の個人・企業税務計画なども得意とする。

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