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Fri, 22 November 2024
イギリス・ロンドンのイベント紹介

天井画を至近距離から観られる
旧王立海軍学校
「ペインテッド・ホール」天井ツアー

ペインテッド・ホール天井ツアー

壮大な天井画で有名な、グリニッジの旧王立海軍学校の「ペインテッド・ホール」。4月に2年の予定で本格的な修復工事に入り、それとともに館内に設置された高さ約18メートルの足場に上って天井画を間近に観るというユニークなツアーが始まった。修復期間中のみの稀有なチャンスをお見逃しなく。

ガイド・ツアーに参加

ツアーガイドさんがペインテッド・ホールの歴史や天井画に描かれた人物の意味などを解説しながら案内してくれる。ツアーの所要時間は約1時間。約15人のグループにまとめられた見学客の1人1人にヘルメットと蛍光ジャケット、そしてインカム用のヘッドフォンが配布。そして見学客はこれらを着用して足場を上り天井画の近くまで行く。階段は70段ほどあるので、ヒールの高い靴は止めておいたほうがよさそう。手荷物は鍵付きロッカーに預けられる。写真撮影はOKだがフラッシュは禁止。天井画には触れないように言われるが、背の高い英国人男性でもない限り、まず届かない。

Painted Hall Ceiling Tours
料金: 10ポンド
(修復期間中は毎日開催される予定。
2018年8月現在、2018年9月30日まで予約可能)
Old Royal Naval College
Greenwich, London SE10 9NN
Tel: 020 8269 4799
最寄駅: Cutty Sark for Maritime Greenwich
www.ornc.org/painted-hall-ceiling-tours-tickets

ペインテッド・ホールとは?

17世紀後半に活躍した英建築家で、セント・ポール大聖堂なども手掛けたクリストファー・レンがニコラス・ホークスムアと共に王立海軍病院の中に設計したバロック様式のホール。天井ばかりか四方の壁にも絵画が描かれた様は、英国版のシスティーナ礼拝堂と形容され、300年にわたり華麗な内装で多くの訪問客を惹きつけてきた。当初は病院の退役軍人が利用するダイニング・ルームとして造られたものの、日常的に使うには華やか過ぎるという理由で、有料で一般公開されるようになったとか。その後、紆余曲折を経て、1939年から97年までは、海軍訓練生のためのダイニング・ルームとして使用された。

ペインテッド・ホール
左)天井の絵画 右)修復前のペインテッド・ホール内部

描かれているのは偉人ばかりではない

イングランド、スコットランド、アイルランドの3王国を共同で統治したウィリアム3世やメアリー2世など、当時の有力な王侯貴族や、ギリシャ神話の神々を散りばめた天井画は、大英帝国が世界に自国の力を誇る政治的メッセージでもあった。ただし、その中に一人、ジョン・ウォーリーという白髭の退役軍人の姿が描きこまれている。ソーンヒルは絵の上で四季を表現したが、ウォーリーは冬のシンボルとして描かれた。70年にわたり海軍を勤め上げたウォーリーは、80代という年齢にもかかわらずトラブルメーカーとして知られ、ソーンヒルは彼をおとなしくさせておくためにモデルに選んだのだとか。

描いたのはジェームズ・ソーンヒル

クリストファー・レンと同時期に活躍し、セント・ポール大聖堂のドームにも絵を残した、バロック画家のジェームズ・ソーンヒル。1707年にペインテッド・ホールの天井画の委託を受けたソーンヒルは当時30歳。以後19年という長い年月をかけて天井画を完成させた。1718年にはジョージ1世に仕える宮廷画家となり、やがて英国人の芸術家として初めてナイトの称号を授与された。

描かれているのは偉人ばかりではない左)ジェームズ・ソーンヒル(画面右下) 右)ジョン・ウォーリー

昔の修復師のイタズラを発見

ペインテッド・ホールの天井画を修復する人々は、代々その絵のどこかに自分の名前と日付を残す習慣があるそう。もちろん皆、目立たないところにサインをするのだが、1797年の修復師は、メアリー2世の胸のふくらみにサインしているという。また、冬のシンボルとして、老人とともにジャガイモやニンジンなども描かれており、ツアーでは地上からは絶対気付かない巨大な絵画のディテールを観ることができる。

昔の修復師のイタズラを発見

天井ツアー

天井ツアー

イベント情報:グリニッジの旧王立海軍学校「ペインテッド・ホール」の天井ツアー

 

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