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Thu, 21 November 2024

ジェフリー・ミュージアムが新博物館として生まれ変わった MUSEUM OF THE HOME

17世紀から現代にいたるまでの400年にわたるロンドンの中流家庭の暮らしぶりを、当時の家具や調度品を使い再現し人気の高かったジェフリー・ミュージアム(Geffrye Museum)が、3年半に及ぶ改装を経て「ミュージアム・オブ・ザ・ホーム」(Museum of the Home)として生まれ変わった。改めて、同館の見どころやお勧めをご紹介しよう。

火~日 10:00-17:00(要予約)無料
136 Kingsland Road, London E2 8EA Hoxton
Tel: 020 7739 9893
www.museumofthehome.org.uk

MUSEUM OF THE HOME
MUSEUM OF THE HOME
MUSEUM OF THE HOME
MUSEUM OF THE HOME

もともとは救貧院だった

ミュージアムは当初、奴隷貿易で財を成した商人でシティの名誉市長だったロバート・ジェフリー(Robert Geffrye)の遺言で1714年にロンドン東部に建設された、貧しい高齢者のための救貧院だった。当時ロンドン郊外だったショーディッチに位置し、老人たちはそこで野菜や薬草を育てながらつつましく暮らした。救貧院は200年あまり続いたが、ロンドンの都市化が進み人口が増えたことから、周囲の環境が大きく変化。犯罪も多発するなど高齢者が静かに暮らすには適さなくなったため、1912年に救貧院はさらに郊外へ移動し、残された建物はロンドン市議会に買い取られジェフリー・ミュージアムへと生まれ変わった。

MUSEUM OF THE HOME

新しいスペース

ミュージアム・オブ・ザ・ホームは、これまでのジェフリー・ミュージアムの良さはそのままに、ロンドンに暮らすさまざまなバックグラウンドを持つ人々にとって「ホーム」とは何かを考えさせる要素を新たにフィーチャー。より今の時代に即したものになっている。その最たるものが、ミュージアムに入ると最初に訪れることになる、地下1階の「ホーム・ギャラリーズ」。新たにできたエリアで、救貧院時代は住人の洗濯場だったという。ここでは、シリアから英国に渡った移民の男性、在英40年になるインド人女性など、ロンドン東部を自分の「ホーム」とする住民たちの姿を紹介する。

MUSEUM OF THE HOME

二つの庭園

地下一階からは庭園にアクセスできる。一つはチューダー朝のノット・ガーデンから現代の屋上ガーデンまで、都市に暮らす住民が愛してやまない庭の移り変わりを時代ごとに区切って見せた「ガーデンズ・スルー・タイム」。そしてもう一つは、150種以上の薬草が植わったハーブ・ガーデンだ。料理だけではなく、掃除や染め物、薬や化粧品として昔から使われてきたというさまざまなハーブを前に、今の自分の暮らしに何か取り入れられる薬草はないかと考えてみるのも楽しいだろう。晴れた日はもちろんだが、小雨交じりの日にはハーブや土の香りがより一層強く感じられるので、厭わずに外へ出てみることをお勧めする。

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リビングの移り変わり

地下から地上階に上がって見ることのできるのは、「ルームズ・スルー・タイム」。かつてパーラーやドローイング・ルームなどと呼ばれていたこともある、中流階級の人々のリビングの様子を1630年から1990年までの時系列で再現した、旧ミュージアムの中核をなしていたエリアだ。インテリアの趣味嗜好が時代ごとに異なり、家族の在り方やくつろぎ方も変化しているのがよく分かる。

MUSEUM OF THE HOME

人々の生活を一変させたもの

「ルームズ・スルー・タイム」の次には「ドメスティック・ゲーム・チェンジャーズ」と題された新エリアが現れる。ここでは、過去400年に発明された人々の暮らしが一変するような影響力を持つ物が並ぶ。古くはレンガ、フォーク、時計といったものから、セントラル・ヒーティング、マッキントッシュのコンピューター、イケアの組み立て式本棚ビリーまで。さまざまな展示品を見ながら、こうした発明品がなかったら現在私たちはどんな暮らしをしているのかを想像してみるのも楽しい。また逆に、今後このエリアにはどんな展示品が加わっていくのだろうか。グラウンド・フロアには小さなリーディング・ルームや家族向けのランチ・ルームもある。

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話題のカフェも付属

オーバーグラウンドのホクストン駅に面したミュージアム付属のカフェ、モリーズ。ロンドン東部を起点に発展したガストロ・パブ「ホープ・アンド・アンカー」の仕掛人、ロブ・ウェスター・ショーとジョナサン・ジョーンズのプロデュースした店で、アンカーと同様のメニューが並び話題を呼んでいる。朝食、日替わりランチ、アペロが楽しめ、アルコールもサーブされる。現在は日中のみのオープンだが、新型コロナの状況が落ち着いたら夜間も営業するとのこと。メニューや営業時間の詳細はwww.mollys.cafeを参照。

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